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【トピックス】 保健学部・菰田照子講師 日本医学検査学会で優秀論文賞を受賞

 5月22日(土)神戸で開催された第59回日本医学検査学会学術総会で、本学保健学部臨床検査技術学科の菰田照子講師が、平成21年度日本臨床衛生検査技師会学術奨励賞優秀論文賞を受賞しました。
 受賞対象となった論文は「女性生殖器系細胞におけるChlamydia trachomatisの増殖性と薬剤効果測定—real-time PCR法を用いた評価—」です。
 C.trachomatis(以下Ctと略)は、それ自身が単独では増殖できない偏性細胞内寄生体で、特異な増殖環を有するため菌体の増殖は封入体数の算定により行われてきました。しかし、1個の封入体中の菌数は様々でCtが細胞に感染してからの時間、感染した細胞によって異なります。
 菰田講師は子宮頸管炎から体の深部へ容易に感染が広がる上向性感染の要因を明らかにするため、real-time PCRという手法を用いて3種の女性生殖器系培養細胞(頸管部、内膜、卵巣)におけるCtの増殖性を調べると共に、抗菌薬の最小発育阻止濃度を測定しました。
 その結果、細胞によりCtの増殖性が異なること、薬剤によっては最小発育阻止濃度が封入体検出法の値よりもreal-time PCRにおいて2〜3倍高値になること等が明らかになりました。これらの成績は、Ctの上向性伝播の機構を理解する上で1つの手掛かりを与えるものとして注目され、今後の研究の進展を期待したいと思います。
 なお、本研究は2007年9月同学会奨励研究費の支援の下、大学院生(藤 明穂:現 株式会社アルプ、金沢市)の協力で行われました。

臨床検査学・臨床化学研究室 
教授 坂内久一
2010.6.3

左、日本臨床衛生検査学会 高田鉄也会長 中央、菰田照子講師 右、研究協力者 藤 明穂さん

左、日本臨床衛生検査学会 高田鉄也会長
中央、菰田照子講師
右、研究協力者 藤 明穂さん