【トピックス】 医学部衛生学公衆衛生学教室・櫻井拓也講師が国際学会で受賞
7月24-25日にロイトン札幌で開催されたThe 18th International Congress on Nutrition and Integrative Medicine において、本学医学部衛生学公衆衛生学教室の櫻井拓也講師がYoung Investigator Award 2010を受賞しました。
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櫻井拓也講師は老化促進モデルマウスの認知機能障害に対するOligonol((株)アミノアップ化学、札幌)摂取の影響を本学部細胞生理学教室の藤原智徳講師と赤川公朗教授のご協力を得て、当教室のスタッフとともに研究しています。Oligonolは、ライチ由来のポリフェノールを低分子化してつくられた高い生体吸収性と抗酸化力をもつサプリメントです。
受賞対象となった今回の「Both Oligonol and exercise have preventive effects on cognitive impairment in senescence-accelerated mice(老化促進モデルマウスの認知機能障害に対してOligonolは運動と同様に予防効果をもつ)」の発表では、老化促進モデルマウスにOligonolを摂取させると、恐怖条件付けテストで観察される文脈記憶の低下が運動を行った場合と同じように改善されること、海馬や大脳皮質ではシナプスの長期増強に重要なcAMP response element binding proteinのリン酸化が増加することを示しました。
今回受賞したYoung Investigator Award 2010は全発表(43題)の中より1題しか選ばれない大変名誉な賞です。櫻井講師の研究成果は、認知症・アルツハイマー病の予防にOligonolが有効であることを示す重要な基礎データであると評価されました。
近年、社会問題となっている認知症・アルツハイマー病の予防に向けて、今後、運動との相乗効果も含めてさらなる研究の進展が期待されます。
医学部衛生学公衆衛生学教室主任 大野秀樹