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【トピックス】 医学部病理学教室・原由紀子助教 神経病理学で国際賞

 Acta Neuropathologica誌は、2010年9月号にて、2010年度のKurt Jellinger賞を本学医学部病理学教室の原由紀子 (宍戸-原由紀子) 助教に授与すると発表しました。 本賞は、神経病理に関係する優れたReview論文を単名で執筆した若手に与えられるもので、原助教の論文、“Progressive multifocal leukoencephalopathy and promyelocytic leukemia nuclear bodies: a review of clinical, neuropathological, and virological aspects of JC virus-induced demyelinating disease”が選ばれました。この国際賞の日本人の受賞は、2人目です。

 原助教は、1992年より進行性多数性白質脳症のウイルス学的、病理学研究にたずさわっています。本疾患はJCウイルス感染によりおきる脱髄疾患ですが、原助教はJCウイルスが乏突起膠細胞のドット状の核内ドメイン、promyelocytic leukemia (PML) ボディを標的に感染することを発見し、その研究成果をウイルス学や神経病理学の国際誌に発表してきました。PMLボディは、細胞周期制御や腫瘍抑制などに関係する重要な核内構造で、この核内構造の機能破綻が、細胞変性や腫瘍化をもたらすと考えられます。

 Acta Neuropathologica誌は、約50年の歴史をもつ神経病理学の国際誌で、ちなみに2009年度のimpact factorは 6.4です。 原助教は2010年9月11日〜15日にオーストリアのザルツブルグで開かれた第17回国際神経病理学会に招聘され、賞金1,000ユーロが贈られました。また、2011年度からの同誌の査読委員に指名されるなど、この分野での益々の活躍が用意されております。 今後も、学際的な視野とテクニックで時代の要求に応えた研究成果が、三鷹から世界へと発信されることを期待しています。


 

左、原助教。Kurt Jellinger先生とともに。  


杏林大学医学部病理学教室・教授 坂本穆彦

10.10.1