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【トピックス】 第4回八王子まちづくりフォーラムを開催

 

 

 「魅力ある観光地へのまちづくりとひとづくり」をテーマに第4回八王子まちづくりフォーラムを、11月6日(土)午後、八王子市学園都市センター・イベントホールにて開催しました。昨年度は地域のつながりを軸に八王子市の地域での子育てを提案しましたが、今年度は、本学に観光交流文化学科が設置されたこともあり八王子市の観光の将来に目を向けた内容で企画しました。会場には八王子の観光に関心のある市民・学生などが多数参加しました。
 フォーラムでは、まず本学跡見裕学長が「杏林大学の八王子キャンパスには多くの学生が学んでおり、黒須市長はじめ八王子市のみなさま方に大変お世話になっております。このようなフォーラムによって少しでも八王子市の発展に寄与できればと思っております。」と挨拶しました。つづいて八王子市の黒須隆一市長が挨拶に立ち、「何年も前から杏林大学の学生さんたちは、学生の視点で観光資源の活用を考えたり、他市の取り組みと比較したりして私たちと違う視点で八王子の観光についていい提言をしてくれています。こうして学生さんが継続的に八王子の街を考えていただいていることを大変ありがたく思っています。今回は4回目のフォーラムで観光がテーマということで貴重な提言を楽しみにしています。」と述べました。
 次に由布院温泉観光協会会長である桑野和泉氏が「まちづくりとホスピタリティ」と題して基調講演を行い、由布院温泉の概要、これまで行ってきた観光地としてのまちづくりの取り組みを紹介しました。世代交代し若者が中心の「ゆふいん観光行動会議」は、地域の多くの人たちを巻き込んで滞在型保養温泉地としてのさまざまな事業に取り組んでいること、景観計画については最初は暗黙のルールだった景観のルールを成文化して徐々に全体に統一的な環境づくりを進めていること、そして今より悪くしないように、少しずつよくすることが重要であると述べて講演を終えました。
 基調講演の後、本学外国語学部観光交流文化学科の岩﨑公生教授がコーディネーターとなって、桑野氏も含めた他の4人のパネリストと「魅力ある観光地へのまちづくりとひとづくり」をテーマに、ハードウエアとヒューマンウエア、その2つを結ぶソフトウエアの3つの切り口から発表と質疑応答を行いました。
 まず八王子市産業振興部観光課長の西田隆氏が、25万世帯・人口55万人を擁する多摩地域のリーディングシティとして八王子市は、今後ミシュランで三ツ星を取った高尾山と陣馬山へのさらなる登山客誘致策としてリピーターを増やすこと、軽装で自然を踏み荒らす登山客があとを絶たない現状を改善して景観を保全しなければならないこと、八王子市地区まちづくり推進条例により中町復興事業等が成果を上げていることなどを報告しました。
 次に東日本旅客鉄道(株)八王子支社営業部長の藤原義雄氏が、昨年中央線開業120周年を迎え、八王子千人同心で八王子市と関係の深い姉妹都市日光市と「はちおうじ日光号」を土日に9本走らせた。「駅からハイキング」をテーマに八王子城等の観光資源を活かしたいくつかの観光商品を企画している。これまでも「駅」はまちの玄関であり、今後とも地域の方々と一緒にまちづくりをしていきたいと述べました。
 その次に本学外国語学部3年岩﨑ゼミの岡本安らんさんと森内しおりさんの2人の学生が、甲州街道商店街に焦点を当てた八王子の商店街の景観づくりと活性化について研究発表を行いました。2人は、商店街の写真を見せながら廃業の後シャッターを閉めたままの店舗や駐車場になったままのところ、商店街ごとに異なるアーケード、規制のない派手な看板、地上に林立する電柱・電線等が景観破壊を進めているとし、他市の商店街での景観づくりの事例を参考にして八王子で景観条例を制定し、それによる統一的で連続性ある景観づくりが必要であると提言しました。最後に、現在の八王子の商店街には、まちづくりへの意識の低さ、リーダーの不在、各商店の後継者の不在等の問題があるとし、「地域に資源が眠っているのではなく、人が眠っている」と述べ、人材の有効活用の必要性を指摘しました。
 最後にオフィスヴァルド・サービスコンサルタントの福島規子氏が、観光地におけるひとづくりについて述べ、最近の傾向として発地型から着地型の観光へ移行してきており各地で観光市民ガイドが急増していること、それに伴って(1)「誰を育成するのか」、(2)「育成人材と現場の温度差」、(3)「観光産業における構造上の問題」の3つの課題について分かりやすい映像資料等を使って説明しました。
各パネリストの発表のあと、一般参加者から受けた高尾山登山客を八王子市内にどう誘導するかなどの質問に対して熱心に意見交換をしてこのパネルディスカッションを終了しました。
 最後、閉会にあたり本学赤井孝雄外国語学部長が、「行動する大学として杏林大学は、キャンパスの中で完結するのではなく、今後もキャンパスの外に出て行動していきたい」と述べ、この「まちづくりフォーラム」を終了しました。


(地域交流委員会)

観光の専門紙「週刊 観光経済新聞」11月13日号でも紹介されました。


2010.11.10