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東日本大震災 杏林DMAT活動報告  被災地支援報告[6]

杏林大学医学部付属病院 高度救命救急センター 
井上孝隆



  3月11日の宮城県三陸沖を震源とした「東日本大震災」におきまして、被害にあわれた皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、犠牲になられた方々とご遺族の皆様に対し、深くお悔やみを申し上げます。

今回の大震災に対し、当教室からは
(1)東京都DMAT運営協議会会長としてDMAT隊派遣調整活動
(2)福島第一原子力発電所における東京消防庁・総務省消防庁の医療アドバイザー活動
(3)羽田国際空港SCU(Staging Care Unit)でのDMAT活動(広域搬送)
(4)宮城県気仙沼市でのDMAT活動
(5)宮城県大崎市での医療救護活動
(6)岩手県宮古市での医療救護活動
を通じて人的貢献をいたしました。

 



  私は同教室員である加藤聡一郎先生、救命センター看護師の高野裕也さんと共に、3月14日から19日の6日間、宮城県気仙沼市で東京DMATとして活動してまいりました。 我々と同行した東京DMATは東京女子医科大学からの1隊をはじめ、ハイパーレスキューやポンプ隊(消火隊)を含めると、車両にして約40台、総勢約400人という大部隊が派遣されました。


  気仙沼市は地震と津波による被災害に加え、11日夜間より火災が起こっており、我々が現地に入った14日も市街地は煙に包まれていました。15日には市の中核病院である気仙沼市立病院付近まで火災が迫ったため、重症患者を優先的に域内に搬送する方針となり、計12名の患者様をヘリコプターにて東北大学病院へ搬送いたしました。

 また、活動中に気仙沼湾の入江に位置する保養園で約250名の生存者が見つかり、傷病者のトリアージや治療、避難所への搬送活動を行ってまいりました。
 被災地域が広域であることから、時折現場で無力感を感じる事もありました。しかし我々が引き上げた18日には火災も鎮火し、物資が届き、住民も街へ戻りだしており、若干の落ち着きを感じることが出来ました。
 災害サイクルの慢性期に入り、今後も年単位での活動が必要になると思いますが、皆様の無事と一日も早い復興を祈っております。

 



2011.4.26