これからのがん医療を担う優れた専門医療人を養成することを目的に、文部科学省が向こう5年間かけて推進する「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」事業に、本学を含む4大学が申請した「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」プログラムが採択されました。
採択された「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」プログラムは、東京女子医科大学を代表校とし、帝京大学、駒沢大学との共同事業としておこなうものです。
計画では、各大学に配置したコーディネーターが中心となり、大学院に設置する養成コースの円滑な連携・推進を行います。また、インターネットを利用した「オンラインがん教育研究ネットワーク」システムを構築し、大学院生のみならず教員、研究者も参加出来、更には復帰を希望するがん医療人の復職支援、一般の方々への公開講義など、がんに関係する人すべてが利用できるようにする考えです。
本学では医学部内科学腫瘍内科教授で当院がんセンターの古瀬純司センター長がコーディネーターを務めます。また4大学それぞれの役割分担として、大学院医学研究科臨床腫瘍学専攻に都市型地域がん治療専門医養成コースと臨床試験研究者養成コースそれに臨床試験コーディネーター養成コース(インテンシブ)を、大学院保健学研究科看護学専攻にがん看護専門看護師養成コースとがん患者コーディネーター養成コース(インテンシブ)をそれぞれ設置する予定です。更に平成25年には医学部にがんに特化した講座として放射線腫瘍学講座を設置することにしています。
この取り組みを開始するにあたり、本学においてこの推進を担う医学部腫瘍内科・古瀬純司教授は以下のように述べています。
このたび、2012年4月より、文部科学省が推進する上記プランに杏林大学も参加し、スタートとなりました。このプランは大学院の教育を通じて、がん診療のプロフェッショナルを養成するというもので、5年前に第1回目の事業が始まり、今回は2回目になります。杏林大学は1回目の事業には参加していませんでしたが、今回、東京女子医科大学、帝京大学、駒澤大学との共同で申請し、採択されたものです(主幹:東京女子医科大学)。これらの4大学はいずれも今回が初めての申請であり、当初、かなり狭き門と覚悟をしていましたが、様々な先生のご尽力のお蔭で今回は参加することができました。本事業には全国104大学が参加しており、医学部を持つ大学のほとんどが参加しています。 本事業の目的は「高度ながん医療、がん研究等を実践できる優れたがん専門医療人を育成し、わが国のがん医療の向上を推進する」ことにあります。今や二人に一人ががんになる時代であり、3人に一人ががんで亡くなっています。わが国の死因の第一位であるがんを何とかしようという国を挙げての取り組みの一つです。我々のグループは東京という大都市を背景にもつ医学部が中心となっており、「都市型がん医療連携を担う人材の実践的教育」というテーマを掲げました。杏林大学大学院は、医学研究科から「都市型地域医療専門医養成コース」と「臨床試験研究者養成コース」、保健学研究科から「がん看護専門看護師養成コース」のコースを設置し、平成25年度から大学院生を募集します。また広く、医師、薬剤師、看護師、検査技師、放射線技師などを対象としたインテンシブコースとして「臨床試験コーディネーター養成コース」と「がん患者コーディネーター養成コース」を設置し、短期間に専門領域を学んでいただくカリキュラムを予定しております。是非、この機会にわが国のがん診療の向上のため、多くの皆さんが「がんプロフェッショナル」を目指して本プランに参加いただきたいと存じます。また多くの関係の皆様にご協力いただくことになるかと存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。 |
■文部科学省ホームページ「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」の選定結果について