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看護専門学校戴帽式記念講演会が開催されました

 12月15日(土)、医学部大学院講堂で看護専門学校戴帽式記念講演会が開催されました。この講演会は、戴帽式を記念し、学外より講師の方を招いて話を聞くことで、視野を広げ心豊かな人間性を養うことを目的に毎年開かれているものです。今回も1〜3年生約300名が参加しました。今回は講師として、桐生大学医療保健学部准教授の岸田敦子氏を迎え、「あなたのいのちは、わたしのいのち」と題した講演が行われました。

 岸田氏は、看護師を育てる傍らで、心理・性カウンセラーとしても活動し、またバングラデシュ国立医学総合大学でも講師をされています。過去に、父親から虐待を受けて育った過去を明かし、小さい頃は叱られない為に良い子でいたが、それが嫌になり不良の道に入ってしまったこと、一時期は生きる価値が見出せなくなったこともあったことなどを語り、それは「自分のいのちは、自分のものだ」と思っていたからであると話しました。しかし、そこから「自分はなぜ生まれてきたのか、なぜ苦しい思いをしてきたのか」を考えるようになり、やがて「自分は幸せになる為に生まれてきた、幸せになったら人の役に立つことができるんだ」と、今までの苦しい経験があったからこそ気付くことが出来たことを話しました。

 講演では「相手の本質を見つける」という内容で、学生が2〜3人で組になり、互いの良いところである「本質」を見つけ、それを伝えるという実践型の講義があり、伝えた言葉は自分に言った言葉でもあり、誉めることができる人は自分に愛情があることに気付くことができる人であると岸田氏は語りました。また、学生に受精卵であった頃を想像させ、産まれて来るまでの過程や、こどもの誕生を喜ぶ両親の様子を岸田氏が静かにナレーションをする瞑想の時間などがあり、中には感極まって泣き出してしまう学生もいました。
 岸田氏は「人はありのままの自分である『本質』の上に、育った生活環境やDNAに影響を受けた『人格やキャラ』という殻を被っています。相手や自分を見たとき、見えているのはその表面だけです。それは、患者さんに対しても同じです。しかし、相手の本質が見えたとき、看護やこれから生きていく道が変わり、誰もが愛しい存在になってきますよ」と学生にメッセージを送りました。
 
 講演後、2年生代表から「今まで、自分にできることを精一杯やることが、相手に返せる唯一のことだと思って勉強していましたが、今日の講演を聴いて、自分を認めて大切にすることが相手を大切にすることに繋がるのだと気が付きました」と感想が述べられ、岸田氏へ花束が贈呈され、満場の拍手で講演会は終了しました。

2012.12.18