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救急医学 大畑徹也助教と功刀主税医師がパプアニューギニアで医療活動

 救急医学教室の大畑徹也助教と功刀主税医師(後期レジデント)が、6月20日(木)から7月6日(土)まで、米海軍が主催する「パシフィックパートナーシップ2013」に参加し、パプアニューギニアで医療活動や現地の医師への指導などを行いました。
 「パシフィックパートナーシップ」というのは、米海軍を主体とする艦艇がアジア太平洋地域の各国を訪問し、その各国の政府や軍、NGOなどの協力を得ながら、連携強化や災害救援活動の円滑化などを図る活動で、日本の本格的な活動参加は平成22年から行っています。今回のパプアニューギニアでは2人の他、日本各地から医師や看護師が集まり、自衛隊員数名を含めた約20名が一つのチームとなって活動を行いました。
 活動の拠点となったのは、パプアニューギニアのヴァニモにある現地で一番大きなヴァニモ病院で、ここには医師が4名、救急車が1台設置されていましたが、救急システムが整っていないため、患者をすぐに搬送することができないということでした。また、たびたびNPO法人が病院を訪れ、医療物資を支給していくのですが、これらを扱える医師がいないという深刻な問題も抱えていました。特に、整形外科医が一人もいない状況で、現地の医師らから、整形外科専門の大畑助教に対し、骨折治療に使用する特殊な器具などの使い方を教えてほしいと強く要望されたということです。そのあと、整形外科の講義依頼を受け、功刀医師らとともに急遽スライドを作成し、骨折に関する基本的な講義を行ったということです。講義は好評を博し、大畑助教は「予定外の講義だったので、準備が満足にはできませんでしたが、大変喜んでいただいたようでした。苦労した甲斐がありました」と話していました。
 このほか、現地では、住民に対して無料で診療を行ったほか、病院や小学校を訪れ、エイズやマラリアなどの感染症や心肺蘇生法、外傷に関する知識や予防法などの啓発にあたりました。

オーストラリア軍の軍艦「ドブルク」。この中では、軍人と同じ生活を送らなければいけないとのこと

オーストラリア軍の軍艦「ドブルク」。ここでは軍人と同じ生活を送らなければいけないとのこと。軍艦からの移動には水陸両用車を使用

現地の医師に、骨折治療に使用する特殊器具のレクチャーをする大畑助教

現地の医師に、骨折治療に使用する特殊器具のレクチャーをする大畑助教

  現地住民への診療のようす

  現地住民への診療のようす



 大畑助教は「今回の活動でとても大変だったことは、現地までの長距離移動や赤道直下の天候、寝泊りをしたオーストラリア軍艦などの環境が大変厳しく、身体を休める場所が一切無かったことです。また、言葉の面でも大変苦労しました。現地の医師らとは英語で会話が出来たのですが、一般住民の方はピジン語しか話すことができず、英語にも通訳が必要な状態でした。英語で会話ができるということはとても大切なことなのだと改めて痛感しました。また、日本の自衛隊と共同して仕事をする機会は初めてでしたが、貴重な体験と自衛隊の行動力や絆を深く感じることができました。一個人としては本当に良い人生経験と軍事体験と医療活動ができ、日本の自衛隊や医療関係者の質は世界で通用することがわかりました」と話していました。

急遽行うことになった整形外科の講義のようす

急遽行うことになった整形外科の講義のようす

パプアニューギニアで共に活動を行ったメンバーで記念撮影

パプアニューギニアで共に活動を行ったメンバーで記念撮影

 左:功刀医師、右:大畑助教

 左:功刀医師、右:大畑助教

2013.08.15