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第55回全日本病院学会総会で医学部吉田正雄講師が最優秀・優秀演題賞受賞

 第55回全日本病院学会総会が8月30日にさいたま市で開催され、医学部衛生学公衆衛生学教室の吉田正雄講師が発表した2演題が最優秀・優秀演題賞を受賞しました。
 これらの賞は、吉田講師の口演「多目的コホート研究(JPHC Study)における白内障のリスク要因と一次予防対策解明のための分析疫学的研究 〜BMIと白内障累積罹患率との関係〜」、「胃瘻患者へのSTの介入と経口移行の可能性に関するレトロスペクティブスタディ」に対してそれぞれ贈られたもので、約700題の演題から選考されました。
 前者は、日本全国にお住いの45〜74歳の約76,000人を対象に5年間の追跡調査を実施し、肥満度(BMI)と白内障累積罹患率との関係を分析した研究で、BMIが最も低い群とBMIが最も高い群では、白内障罹患リスクが高くなるU字型の傾向を示すことを明らかにしたものです。後者は、脳血管疾患等による嚥下障害のために、胃瘻を介する経管栄養が必要となった45〜99歳の入院患者84人を対象に約3年間の追跡調査を実施し、胃瘻造設後に医師、看護師および言語聴覚士(ST)らによる医療チームが介入することにより、経口摂取が可能となった患者の傾向や特徴について分析した研究です。いずれの疾病も、高齢化の進行が顕著なわが国では、QOL低下の主要因として予防対策の充実化が急がれる公衆衛生学的問題であります。しかしながら、わが国ではこれまで、両疾患に関する妥当性の高い疫学研究は実施されておらず、わが国の中高年者のQOLの維持・向上と健康寿命の延伸に寄与する研究であることが高く評価されました。
 吉田講師は、「このような名誉ある賞を頂き、大変嬉しく思っております。これもこれまでご指導頂きました先生方、協力機関のスタッフの方々、そして何よりも本研究に協力して下さいました研究対象地域にお住いの皆様、患者様のお蔭と思っております。今後もさらに研究に邁進し、研究の成果を社会に還元できるように努めて参ります」と話しています。

衛生学公衆衛生学教室 2014.9.8