超高精細映像の技術「8K」を使った世界で初めての内視鏡手術が11月10日、杏林大学病院で行われました。手術室に設けられた大型モニターにはこれまでの内視鏡では見えにくかった細い血管や神経などがくっきりと映し出され、内視鏡手術の正確性・安全性の向上に大きく寄与する可能性があることが確認されました。
「8K」は、NHK放送技術研究所が2020年の東京オリンピックでの実用放送をめざし、世界に先駆けて開発したもので、画素数が現行ハイビジョンの16倍あり、臨場感に優れています。
この日は一般社団法人「メディカル・イメージング・コンソーシアム」の協力を得て、有効性などを確認する臨床研究として70歳代男性2人の胆のう摘出手術が行われ、青木久恵医師によって患者の腹部に8K内視鏡が挿入されました。患者のすぐそばに設置された85インチの大型モニターに、肝臓や胆のうなどの臓器とともに細い血管の走行状況や神経などがくっきりと浮かび上がる中、執刀医の消化器一般外科・森俊幸教授が手際よく胆のうを摘出しました。