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特殊災害現場での消防隊員の安全を守る「突入撤退判断システム」を報道陣に公開

 本学は、NBC(核、生物、化学)災害現場で消防隊員の安全を確保するための「突入撤退判断システム」の研究開発を日本工業大学、東京消防庁と合同で行っています。この研究は、4年前の東日本大震災の際に、福島原発事故の冷却注水作業にあたった東京消防庁のハイパーレスキュー隊員たちの健康管理が大きな課題になったことから開始されたもので、消防庁の消防防災科学技術研究推進制度による研究委託事業として平成25年度に採択され、平成27年度末までの3年計画で進められています。研究から2年経ち、このほど試作品が完成したことから、報道関係者を招いて3月4日(水)、公開の実証実験を行いました。

 「突入撤退判断システム」は、危険性の高いガスや放射線等を測定する様々なセンサーを搭載した無人探査機を特殊災害現場に投入し、現場の危険度をマッピングし、突入可否及び突入可能な場合の最適ルートを示す「突入判断システム」と、消防隊員個人の有毒ガスセンサー等とウェアラブルセンサーから得られるデータを、リアルタイムに指揮本部に伝送し、活動限界を判断し撤退させる「撤退判断システム」とで構成されています。

45度の急斜面でも走行できる水陸両用の無人探査機

45度の急斜面でも走行できる水陸両用の無人探査機

心拍数、被服内温度などを測定するウェアラブルセンサーを説明する本学医学部山口芳裕教授(左)

心拍数、被服内温度などを測定するウェアラブルセンサーを説明する本学医学部山口芳裕教授(左)


 実験は埼玉県宮代町の日本工業大学で行われ、報道機関5社、7名が見守る中、無人探査機を瓦礫に見立てた枯れ木を乗り越えて走行させたり、モニターに心拍数や呼吸数などを映し出すテストが披露されました。取材陣からは、ウェアラブルセンサーの使用方法や各システムで放射線等有害物質がどの様に測定され・モニターへ表示されるのかなど活発な質問が寄せられていました。

探査機から放たれた放射線量等を測定する中継器(手前)、救助活動中の隊員の放射線量を測定する様子

探査機から放たれた放射線量等を測定する中継器(手前)、救助活動中の隊員の放射線量を測定する様子

「モニターシステム」の説明をする日本工業大学の石川貴一朗助教

「モニターシステム」の説明をする日本工業大学の石川貴一朗助教


 公開実験を終えて山口教授は「実用化にはまだ課題が残されています。今後も多くの方から忌憚のない意見やご協力をいただきながら、研究終了後のなるべく早い段階で実戦配備できるよう、今後も研究開発に努めていきます」と決意を語りました。

取材する報道陣

取材する報道陣

質問に答えるNTT研究開発担当者

質問に答えるNTT研究開発担当者


 公開実験の模様は同日、テレビ埼玉の「テレ玉イブニングNEWS」で紹介されました。

2015.3.6