9月12日(土)午前11時から三鷹キャンパス大学院講堂で平成27年度(前期)学位記授与式及び平成27年9月卒業式が行われ、33名が学び舎をあとにしました。
この日は早朝に、調布市で震度5弱、三鷹市で震度4を観測するなど関東地方で大きな揺れを感じましたが、交通機関に大きな乱れはなく、予定通り午前11時から卒業式が執り行われました。
この日学位を授与されたのは、大学院では医学研究科6名、保健学研究科3名、国際協力研究科7名、学部では総合政策学部12名、外国語学部5名の合わせて33名です。
式では始めに渡邊卓医学部長・医学研究科長が学事報告を行ったあと、研究科・学部の代表者に各研究科長・学部長から学位記が授与されました。
続いて跡見裕学長が式辞を述べました。跡見学長は卒業生にお祝いの言葉を述べた後「世阿弥の言葉に“初心忘るべからず”という文言があります。通常は初期の志を忘れてはならないと理解されていますが、実は、始めたころの未熟な自分を恥ずかしいと思った気持ちを忘れないようにという意味とのことです。皆さんが始めのころ抱いていた志、未熟な頃の自分をいつまでも忘れないで、それをバネにさらに先に進んでください」とはなむけの言葉を贈りました。
また、教員を代表して大川昌利総合政策学部長・国際協力研究科長が祝辞を述べました。大川学部長は、富裕になることを人生目標とする人の幸福度は低くなるという『幸福の経済学』の研究成果を紹介した上で、「杏林学園で学んでこられた皆さんならば、“よりよい人生”を送るためにはコスト計算や金銭的評価よりもずっと重要な価値をもつものがあるということに気づいておられることと思います。皆さんがこれから社会に出て器用に世渡りしたくなった時には、これだけは絶対譲ることは出来ないという重要な価値、どんなにコストがかかっても人類が“より良い”未来のために守り続けなければならない価値というものがあるのだということを思いだしていただきたい」とこれから社会に向かう心構えを説きました。
式典終了後、各研究科・学部に分かれて卒業生一人ひとりに学位記が授与されると、厳粛な空気はようやくくつろいだ雰囲気に変わり、卒業生が恩師を囲んで記念写真を撮ったり、晴れ姿を参観した家族からお祝いの言葉を受けたりする姿が会場のあちらこちらで見られました。医学研究科で博士号を取得した中村健大さんは、医師として勤務しながら夜中に勉強し1年かけて博士論文を仕上げたということで、2人の幼子とともに夫の晴れの舞台を見守った妻の沙織さんは「家族一緒に遊びに行きたいこともありましたが、よく頑張ったと思います。本当に良かったです」と祝福の言葉を贈っていました。