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小児外科学教室 韮澤融司教授の最終講義

 本年3月で退職される医学部小児外科学教室 韮澤融司教授の最終講義が1月5日午後、大学院講堂で行われました。
 韮澤教授は1986年に杏林大学に赴任され、30年間にわたり杏林大学で診療、教育、研究に携わってこられました。赴任前から継続してHirschsprung 病(*)について研究を行ってきたことから最終講義のテーマは「Hirschsprung 病とともに」と題して行われました。
 この中で韮澤教授は、最終講義に集まった医学部4年生を前に、まず大学の使命は診療、教育、研究であると説いた上で、ご自身の研究テーマであるHirschsprung 病の検査や診断、研究の歴史などについてわかりやすく説明しました。講義の後半では、先生ご自身が行ってきた研究について述べ、Hirschsprung 病無神経節腸管におけるcatecholamine 、そのレセプターならびに神経支配に関する研究、細胞質と酵素活性に関する研究、遺伝子異常に関する研究などについて解説しました。韮澤教授はこの研究のさ中に大病を患われたことに触れ、「命が救われたことに感謝する反面、志半ばになってしまって悔いが残る」と述べ講義を終えられました。
 講義のあと、韮澤教授の日ごろの指導に感謝して、小児科、麻酔科、外科、小児病棟スタッフ、小児外科のOBの先生方など多くの関係者から次々と花束が贈られました。
 小児外科学教室は昨年、講座開設20周年という記念すべき年を迎えましたが、これも韮澤先生の杏林大学での30年という長きにわたる多大なる貢献の賜物と思っております。今後も先生の指導を守りながら教室員一同努力していきたいと思います。

医学部小児外科学教室医局長 渡邉佳子


*Hirschsprung 病とは
腸管壁の粘膜下神経叢(Meisner‘s plexus)と筋層間神経叢(Auerbach’s plexus)の中の神経節細胞が先天的に欠損し正常な腸の蠕動運動がないために腸閉塞症状を示す病気。出生5,000人に1人の頻度とされている。


2016.1.13