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新5年生が”良き医師へ“誓いを新たに 第1回白衣式を挙行

 新年度から始まる医学部新5年生の臨床実習に先立って、第1回白衣式が3月26日㈯三鷹キャンパス松田記念館で行われ、120名の学生が真新しい白衣に袖を通し、医師への道を歩む決意を新たにしました。

 白衣式は、学生たちが臨床実習を始めるのを前に、先生から白衣をかけてもらい、誓いの言葉を全員で唱和することにより良き医師になるために努力することを誓うもので、1988年に米国コロンビア大学でWhite coat ceremony(ホワイトコートセレモニー)として始まり、日本では2006年に慶應義塾大学で最初に行われました。
 本学で開催するのは今年が初めてで、各診療科長やわが子の成長する姿を確かめたいと全国各地から訪れた200名を超える保護者に見守られながら、新5年生120名が式典に臨みました。

 司会を務める医学部教務主任の赤木美智男教授から白衣式についての説明があったあと、跡見 裕学長が挨拶し、「これからの社会はダイバーシティ(多様性)を要求されています。これからは多様なことを経験し、対話する能力を学んで欲しい。患者さんはもちろん、他の医療者や患者さんの家族の方に思いやりを持って行動してください。臨床実習の中でコミュニケーション能力を身に着けることを期待しています」と激励しました。

 続いて渡邊卓医学部長は、「講義で学んできた大学と病院はまったく違う環境になります。病院では医学生に相応しい身なり、院内感染防止、患者さんの個人情報保護を十分に注意し、病院のルールを遵守して実習に臨んでいただきたい。真摯な姿勢で誠実に学ぶことを心がけていただければ、患者さんもきっと協力してくださることでしょう。病院の研修では、協働している他の医療者がどのような仕事をしているかを自分から進んで学ぶ姿勢を心がけていただきたい。皆さんが医師になろうと決意されたことを改めて思い出して、良き医師を目指して決意を新たにしてもらいたい」とエールを送りました。

 本学の第一回卒業生で3月一杯で定年を迎える高橋信一付属病院副院長は、「40年間杏林大学と一緒に歩んできて、建学の精神“眞・善・美の探究”の意味がやっとわかりました。“眞”は真理の探究で一生懸命勉強すること、 “善”は良い精神を鍛練すること、 “美”は技術を磨くこと、です。良医となるにはこの3つが欠かせませんが、この中で一番難しいのは、 “善”です。精神の鍛錬、心を磨くには、患者さんから学ぶことです。患者さんは、医師や看護師に言えないことがたくさんあり、その患者さんに寄り添うよう心掛けていくことで “善”が磨かれていくと思います」と学園を去るにあたっての思いを伝えました。


 また、卒業生を代表して幾瀬貫同窓会長からは、「医学部5年、6年生は、勉強も大変になる時期になりますが、最後の二年間をラストスパートで乗り切り、心のあるドクターにぜひともなって下さい。健康に気をつけて活躍されることを祈念しています」と励ましの言葉がありました。

 続いて行われた白衣授与では、出席した120名の学生が舞台に上がり、この日のために医学部同窓会から寄贈された、左胸に「KYORIN UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICNE Student Doctor」のワッペンと個人名の刺繍が施されている白衣を教員から羽織らせてもらい、教員から励ましの言葉を掛けられたり、握手を求められたりしていました。

 このあと、医療系大学間共用試験実施評価機構の齋藤宣彦副理事長による「診療参加型臨床実習」と題した特別講演があり、診療参加型臨床実習が行われるようになった経緯や、学生が行える医行為、臨床実習のコツなどについて解説がありました。
 基礎系の教員からのビデオレターによるメッセージが披露されたあと、クラス委員の伊波彩音さんがリーダーとなって学生全員で誓詞唱和を行いました。この誓詞は「“眞・善・美の探究”という杏林大学の建学の精神のもと、医師をめざす者として真摯に臨床実習に臨むこと」などを謳ったもので、学生全員が意見を出し合い、時間をかけて考えたということです。
 


 伊波彩音さんは「学生全員で考えた誓詞を披露出来て満足しています。またご列席いただいた先生方の激励のお言葉やビデオメッセージを聞いて気が引き締まりました」と話していました。
白衣式は最後に、医学部管弦楽団の演奏による校歌斉唱を全員で行い幕を閉じました。
 式場では保護者が学生たちを囲むように椅子に座り、我が子の成長した姿を写真に納めようとしきりとシャッターを切っていました。
 

2016.3.30