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医学部内科学Ⅰ 皿谷健学内講師が第55回米国胸部疾患学会 日本部会賞を受賞

 本学医学部内科学Ⅰ(呼吸器内科)の皿谷 健学内講師が、第55回(2016年)ACCP(米国胸部疾患学会)日本部会賞を受賞し10月31日、東京医科大学病院で受賞対象となった「Black Pleural Effusion(黒色胸水)」のテーマで受賞記念講演が行われました。
 ACCP(American College of Chest Physicians=米国胸部疾患学会)日本部会は、日本の指導的な胸部疾患専門医(呼吸器内科、呼吸器外科、循環器内科、心臓血管外科)が中心となり、内科、外科といった分野にとらわれることなく胸部疾患を主とした、診断、治療法を探索する団体で、最新知見の情報発信とともに医療技術の発展に努めています。
 今回の受賞の対象論文はAm J Med 2013 Jul;126(7):641.e1-6に発表した「Black Pleural Effusion(黒色胸水)」で、皿谷学内講師の研究テーマの一つである胸水に関するものです。この研究は慢性膵炎患者に生じた左側の黒色胸水が、仮性膵嚢胞の破裂による出血がアミラーゼによる溶血を生じ大動脈裂孔を介して左胸腔へと進展した症例が発端となっています。その際、胆汁酸の主成分であるグルココール酸が胸水中では陰性であることを確認し、黒色調の胸水になりうる“胆汁性胸水”と“仮性膵嚢胞破裂に伴う胸水”の鑑別にグルココール酸の測定が有用であることを見出し報告しました(CHEST 2012;141(2):560-563)。当時世界中の黒色胸水の症例を集めてもわずか8症例しか報告がありませんでしたが、病態生理を考えると1) 感染症(Aspergillus niger,Rhizopus oryzae), 2)メラニン色素を含有した悪性黒色腫, 3)非小細胞肺がんや仮性膵嚢胞の破裂による溶血や出血,4)活性炭を含有した膿胸,の大きく4つに分類されることを提唱したことを高く評価されての受賞になります。
 受賞について皿谷学内講師は、「この総説では幸運にも胸水診断のLightの基準を作ったRichard W Light教授の指導を受けることができました。黒色胸水は極めて稀な疾患ですが、この総説は黒色胸水のランドマークとなったと思います。本研究に続き、胆汁性胸水の鑑別(Respir Investig. 2016 Sep;54(5):364-8)や肺炎随伴性胸水と膿胸のシンプルな鑑別方法(PLoS One. 2015 Jun 15;10(6):e0130141)などLight教授との仕事も継続できており、一例の黒色胸水から生じた疑問がLight教授との出会いや共著論文の作成、新たな診断アルゴリズムの提唱に至るまで深く関わっており、今後の日常診療においても常に症例に対する疑問を持ち続けたいと考えています」と語っています。

2016.11.2

左)皿谷 健学内講師、前 後藤 元医学部長

左)皿谷 健学内講師、前 後藤 元医学部長

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