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国連事務総長講演会・懇談会に本学学生が出席

 2017年12月14日(木)、上智大学の四谷キャンパスにおいて開催された国連事務総長アントニオ・グテーレス氏の特別講演会に、本学から国際協力研究科博士後期課程の遠藤弘司さん、総合政策学部4年生の田井伶佳さん、同学部1年生の中村友哉さんが出席しました。
 第1部は、国連アカデミックインパクト参加大学から各 5 名までが出席可能な「国連事務総長特別講演会」でした。
 第2部は、第1部の出席者から選考された学生が参加できる「グテーレス国連事務総長と学生約30名による懇談会」で、本学から遠藤さんと田井さんの2名が選出されて出席しました。第2部は英語のみで行われ、事務総長と学生たちとの活発な議論が展開されました。
 国連事務総長から直接お話しをうかがうことができたことで、大いに刺激を受け、大変有意義な機会を得ることができました。
 以下、出席者からのコメントです。

<遠藤弘司さん>
第1部の講演会では、「人間の安全保障」に関して、主に6つのテーマが言及されました。第1は核問題、第2は紛争の複雑化、第3は気候変動、第4はグローバル化、第5は技術革新、第6は難民問題でした。「人間の安全保障」のために重要なのは「予防」であるが、その重要性が認識されていないとの指摘がありました。また、上述の問題をクリアするために、世界的にSDGsに取り組む必要があることが示されました。大学、市民社会などは、学術的議論を通じて、社会に影響を与えるという大きな役割を果たすことができると述べられました。
第2部では、学生からの質問形式で行われました。学生側からのどのような質問にも、グテーレス氏は、的確かつ迅速にお答えくださいました。様々な大学からの学生から、色々な質問と意見・洞察が提示され、お互いに非常に良い学術的刺激を得ることができました。

<田井伶佳さん>
第1部のご講演の中で、私が最も興味を持ったのは、グローバル経済や技術革新の恩恵とデメリットについてです。格差の拡大と「取り残された人々」のフラストレーションが、テロそして難民問題と相互に絡んでいき、とても複雑で解決が難しくなっていると話されました。日本に住んでいると、緊迫した状況に触れる事はあまりないですが、世界情勢は絶えず動いており、積極的に外の世界を見る必要性を感じました。
第2部では、北朝鮮問題や日本の難民制度などについて、グテーレス氏との議論が繰り広げられました。他大学の学生の国際課題に対する熱心さに感化されるとともに、「全体の為の自分の行動」というグテーレス氏のメッセージに感銘を受け、国際社会全体について考える機会となりました。

<中村友哉さん>
ご講演の中で、私が最も関心を持ったのは、グテーレス氏が、現在のテロや紛争は、グローバル化し複雑化しているということを述べられた点です。原因として考えられることは、世界の力関係が曖昧になり、ほとんどのテロ、紛争が二国間の問題ではなくなっており、アクターの数が増え、解決策を見つけることが困難になっているとのことです。これに対して必要なことは、危機の予防だと述べられました。しかし、日本では、危機の予防どころか危機の存在すら知らない人が少なからずいると思います。 私達大学生の役割は、まず、世界の危機を知り、周りに広めていくことだと思いました。

2017.12.19
総合政策学部准教授 川村真理