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放射線医学教室 五明美穂助教が欧州放射線学会で受賞

 本学放射線医学教室の五明美穂助教が、2月28日から3月4日にオーストリアのウィーンで開催された第24回欧州放射線学会(ECR)で Cam Laude Awardを受賞しました。ECRは毎年3万人近くが参加する放射線医学における欧州最大の学会で、本賞はその中で特に優れた研究発表に対し授与されるものです。
 発表演題は“Demonstration of brain perforating arteries by ultra-high-resolution CT angiography”で、昨年本学医学部付属病院に導入された臨床機としては世界第1号機となる超高精細CTを用いた臨床研究です。
 頭部CT angiography(CTA)において、頭蓋内穿通枝血管の同定は脳外科直達手術のガイドや脳梗塞の原因血管評価のために重要です。従来のCTではその描出能に限界がありましたが、超高精細CTを用いることで空間分解能が格段に向上し、主幹動脈皮質枝末梢や穿通枝動脈の描出が可能となりました。ただしこれらの血管は非常に細く、周囲の画像ノイズや血管の重なりで描出が容易でないこともあり、目的血管の描出には十分な解剖学的知識のもとノイズや血管を除去することが求められます。今回の発表では、このような頭蓋内穿通枝血管の解剖に加え、その描出による臨床的有用性や描出能向上を得るための手法を示したことで、その成果が高く評価され受賞に至りました。
 受賞を受けて、五明助教は「脳神経外科とのカンファレンスや脳卒中科の先生方から学んだ知識をもとに、超高精細CTの性能を頭蓋内血管に生かし、その臨床的有用性を多くの人に知ってもらいたいという思いが以前から強くあったので、今回このような賞を頂けたことを大変有り難く感じます。ご指導頂きました客員教授の土屋一洋先生をはじめ、多忙な日常業務のなか誠心誠意取り組んでくださる検査室スタッフや教室員の皆様に心より感謝申し上げます」と話しています。

前列中央:五明助教 右:横山教授

前列中央:五明助教 右:横山教授

2018.03.16 
放射線医学教室 教授 横山健一