2月17日(土)に東京・千代田区で開催された第348回日本消化器病学会関東支部例会の専修医セッションで、レジデントの小栗典明先生が最優秀演題賞を受賞しました。
発表は「binary toxin陽性株による市中感染重症型のClostridium difficile感染症の一例」と題した症例報告です。Clostridium difficile感染症はありふれた軽症の消化器疾患と考えられてきました。しかし、近年欧米では強毒株であるbinary toxinを産生するClostridium difficileが流行しており、死者数の多い深刻な疾患として捉えられています。我々は日本ではまだ報告の少ないbinary toxin陽性株の症例を経験しました。今回の発表では、国立感染症研究所細菌第二部の加藤はる先生にご協力頂き、毒素の遺伝子解析を行い、日本の市中感染重症例の特徴を示すことができました。今回の受賞は今後懸念されるpandemicへの警鐘として、我々の報告が評価いただけたものだと思います。単に珍しいというだけでなく、症例から何を学び、何を示すべきか掘り下げることが臨床医に大切なことだと改めて実感しました。
受賞した小栗先生は、「指導医の櫻庭彰人助教、本学感染症学教室の神谷 茂教授、大崎敬子准教授や本校以外の先生のご協力もいただき、受賞できたことに深く感謝を申し上げます。本発表では発表時間外にも来場者から質問があり、多くの方に興味を持っていただけたことが、何よりも喜ばしいことだと感じています。未熟な身ではありますが、今後もより良い研鑽を重ね、多くのことにチャレンジしていきたいです」と抱負を語っています。