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リサーチレジデントのPrakash Shakya博士が米国公衆衛生学会で受賞

 米国公衆衛生学会(APHA 2018)が11月10〜14日に、米国サンディエゴ市で開催され、本学リサーチレジデントのPrakash Shakya博士が、国際保健部門のBest Abstract Awardを受賞しました。
 Shakya博士の発表演題は、“Factors associated with perceived risk and knowledge of Tuberculosis among international students studying in Japanese language schools in Tokyo”(都内日本語学校に通う留学生の結核に関する知識と主観的リスクの関連要因)です。この研究は、厚生労働科学研究費補助金エイズ政策対策研究事業「外国人に対するHIV検査と医療サービスへのアクセス向上に関する研究」(研究代表者:北島勉)の研究活動の一環として実施されました。共同発表者は、沢田貴志医師(港町診療所)、宮首弘子教授(外国語学部)、北島勉(総合政策学部)です。
Shakya博士は、都内の日本語学校に通う留学生の約7割を占める、中国語、ベトナム語、ネパール語を母語とする学生769人を対象に実施したアンケート調査から、彼らの結核に関する主観的感染リスクに、学生の出身国、主観的健康感、結核に関する知識、出身国での結核に関連したサービス利用経験が関連していることを明らかにしました。
 近年、日本語学校で学ぶ留学生は増加しています。彼らの多くは結核高蔓延国出身であるため、結核に感染している可能性が高いと考えられます。そのため、来日後の生活環境の変化等のために体調を崩した際に、結核を発症する可能性が同年代の日本人に比べると高いと言われています。留学生は、来日前後に結核の検査を受けてはいますが、結核は感染してから発病するまでの時間が長いため、発症した時になるべく早い段階で治療に結びつけることが重要です。今回の研究の結果は、これまでほとんど情報がなかった日本語学校の留学生の結核に関する意識を明らかにしたもので、今後の対策を検討する上で重要な資料となるものと思われます。

 受賞についてShyakya博士は「米国公衆衛生学会の様な大きな国際的な学術大会で受賞できたことをとてもうれしく思います。日本に住む外国人の保健医療サービスへのアクセスを改善していけるようにこれからも頑張っていきたいと思います」と話しています。

右:Shyakya博士

右:Shyakya博士

2018.11.16
総合政策学部、国際協力研究科
教授 北島 勉