新年度から始まる医学部新5年生の臨床実習を前に、白衣式が3月23日(土)三鷹キャンパス松田記念館で行われ、123名の学生が新しい白衣に袖を通して医師の道を歩む決意を新たにしました。
白衣式は、学生が先生から白衣をかけてもらい、誓いの言葉を全員で唱和して良き医師になることを誓うもので、1988年にアメリカでWhite coat ceremony(ホワイトコートセレモニー)として始まりました。
式では始めに大瀧純一学長が「本学の建学の精神は眞善美の探究です。眞善美の眞の探究はこれまでに実践してきた事でしょう。今日からは善と美の探究を行っていくのですが、善と美の探究は自分だけの力では成しえません。臨床実習を通して一つひとつ言われている事を体得し、高い倫理性や人間性に優れた良き医師をめざしてください。」と挨拶しました。
続いて、渡邊 卓医学部長が「これまでは間違っても先生に謝ればすみましたが、これから身を置く場所は、建物は隣り合っていても環境や状況は全く異なります。病院という医療の現場に身を置いて学ぶということを十分に自覚して学んでください。そして何でも吸収し学ぼうという姿勢と、よき医師をめざして今後一層の努力をしようという決意を新たにしてください」とはなむけの言葉を贈りました。
また、楊 國昌付属病院副院長は「君たちにとって病院は勉強の場であっても、患者さんは不安を抱えながら病院に来ています。実習では患者さんやそのご家族の立場になり患者さんを診るよう心がけてください」とアドバイスしました。
さらに、同窓会を代表して幾瀬 貫会長が「病院内で白衣を着た人を見ると患者さんはベテランや新人など関係なく杏林大学の医師として接してきます。君たちのとる態度が病院全体の評価につながります。実習では謙虚な気持ちでしっかりと向き合い、次のステップをめざしてください」と励ましの言葉を贈りました。
このあと日本医学教育評価機構常任理事で順天堂大学客員教授の奈良信雄氏が「臨床実習で学ぶProfessionalism」と題して特別講演を行ない、医師をめざすものとしての心構えを説きました。
特別講演に続いて、白衣授与が行なわれ、訪れた家族や教職員が見守るなか、出席した123名の学生が舞台に上がり、胸に「KYORIN UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE Student Doctor」のワッペンと個人の名前が刺繍で施された白衣を先生からかけてもらいました。全員に白衣が行き渡った後、学生全員で誓詞唱和を行いました。この誓詞では「建学の精神の“眞・善・美の探究”に則って、感謝、尊敬、思いやりの気持ちを忘れずに謙虚な姿勢で患者さんに寄り添い、寸暇を惜しんで真摯に学び続けます」と誓いました。
最後に医学部管弦楽団の演奏で校歌を斉唱し、白衣式を終えました。