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消化器外科森教授が第15回アジア太平洋内視鏡外科・腹腔鏡外科学会を主宰

 9月11日、12日に、第15回アジア太平洋内視鏡外科・腹腔鏡外科学会(ELSA2020)が、本学医学部消化器・一般外科学教室 森 俊幸教授主宰の下、ウェブ上で開催されました。
 本学会は、アジア太平洋地域での内視鏡・腹腔鏡外科手術の発展を目的として、1992年にシンガポールで立ち上げられました。現在の参加医師は、ニュージーランドからトルコまで37カ国に及び、主要な学会の一つとなっています。
 今回の学会では、アメリカやイギリス等欧米諸国も含めた約2,200名の医師が参加し、コロナ禍での外科医療やオンライン診療の発展、ロボット手術などについて研究発表や意見交換が行われました。学会を主宰した森教授の報告をご紹介します。


医学部 消化器・一般外科学教室 教授 森 俊幸

 ELSA2020(Endoscopic and Laparoscopic Surgeons of Asia 2020)は本来、大分大学 猪股教授が主宰されるWorld Congress of Endoscopic Surgeons (WCES)と日本内視鏡外科学会(JSES)とともに、パシフィコ横浜で2020年9月11日12日に開催される予定でした。
 しかし、2月にダイヤモンドプリンセスの乗船者からCOVID-19の感染が明らかとなり、国内でもCOVID-19感染のクラスターが発生する様になると、3蜜を伴うイベントの開催が難しくなりました。
本3学会は東京オリンピック・パラリンピック2020直後に予定されていたので、学会開催の可否はオリンピック開催の様子を伺っていましたが、3月にオリンピック・パラリンピックの開催が1年程延期となったことから、3学会の開催も断念いたしました。この決定後、3学会の理事会に開催中止後の方針を諮り、それぞれ異なる道を歩むことになりました。
 WCESは中止し、4年後の開催を目指すことが決まりました。JSES/ELSAは猪股教授と協議し、来年3月に横浜での延期開催を予定し、ELSA理事会に2021年3月延期案を諮りましたが、この案は否決されました。ELSAは頻回にウェブでのセミナー「Webinar」を開催しており、そのインフラを利用し、本来の9月11日12日の日程でWebinar開催されることが理事会で決まりました。またWebinarの名前は「MIS in Era of Disruption」に決まりました。

 Webinarという形式の制約上、発表者の人数は限られたものとなりましたが、日本からの企画も多く取り入れていただきました。
 Webinar参加により日本内視鏡外科学会の技術認定申請のためのポイントを得られる様にするなどの工夫もあり、多くの日本人医師にご参加いただきました。また全世界からの参加総数は2,239名となりました。私自身は、日本内視鏡外科学会技術認定制度やJSES-NCD研究の概要を発表し、外科医の熟練度の測定に関する発表をいたしました。

<center>オンラインで開催された学会</center>

オンラインで開催された学会

 COVID-19の世界的流行によりDisruption(混乱)が冠されるという事態ともなりましたが、Webinar開催で学んだことも多く、今後の学会の方向性なのかもしれないとも思いました。一方で、早く大勢が集まり、知識や技術を交換し、宴席で交流を深めるという学会ができるほど、世界が安全な場所になって欲しいとの思いを強くいたしました。

2020.9.24