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生活基盤としての小地域を対象とした卒業研究の取り組み
町会で卒業研究報告会

保健学部看護学科看護学専攻 地域看護学研究室では、2015年度から三鷹市内の地域包括支援センターと協働し、高齢者の孤立化や災害時の地域の役割などをテーマにフィールドワークによる卒業研究に取り組んでいます。
2020年度は、東部地域包括支援センター、井の頭地域包括支援センター、大沢地域包括支援センターで実施しました。
その中で、東部地域包括支援センターと協働したグループの取り組みを報告します。

卒業研究「ソーシャル・キャピタルの醸成に向けた町会活動の活性化に関する課題の検討―三鷹市牟礼地区牟礼中町会の調査から―」


地域の特徴を調べる 町会加入率70%の三鷹市牟礼地区牟礼中町会


東部地域包括支援センター管轄地域にある70%と高い町会加入率を誇る三鷹市牟礼中町会にご協力をいただき、「ソーシャル・キャピタルの醸成に向けた町会活動の活性化に関する課題の検討―三鷹市牟礼地区牟礼中町会の調査から―」をテーマに5名の学生が卒業研究に取り組みました。

フィールドワークでみえた町会活性化のための4つの活動


卒業研究スタート時は、外出自粛期間であり、オンライン上で既存資料の分析などの地域の情報収集と学生によるディスカッションを行いました。研究の途中では、三鷹市東部地域包括支援センターや社会福祉協議会の方々からご助言をいただき進めてきました。その後、対象地域を学生達の目で見て歩き、町会長から町会活動についての説明をいただきました。さらに、地域活動の担い手である町会員の方々へインタビュー調査を実施しました。これらにより、町会活動の活性化に関する課題を導出し、町会活性化の推進に向けた解決策として、4つの活動を検討しました。

卒業研究を通した地域に接近するプロセスの体得


学生たちの研究結果は、卒業研究報告会として12月12日、牟礼東地区公会堂で町会の方々に発表しました。発表後の意見交換では、「誰でも気軽に交流ができる場は重要であり、地域においても高齢者の居場所づくりを行いつつある。このような場に高齢者が来てもらえるようなアイディアが欲しい」「町会の課題の抽出が適格になされているが、withコロナの時代においてコミュニティの形も変わってくる中、なぜ町会に入りにくいのかという原因をさらに深堀していくと、町会活動の検討も具体的になる」「現場に来ないとわからないことも多いため、もっと地域の実情を知る必要がある」また、「町会とすれば大学生と組めることはバンザイであり、一緒に地域活動の経験をしてもらうなど町会と大学がお互いによい関係づくりができるとよい」という励ましのお言葉もいただきました。

最後に、田代町会長より、「これまで外から町会を見てもらうことはほとんどなかったため、学生の研究は刺激になり、よい機会となった」とまとめていただきました。
学生達からは、「地域を知るためには、地域に出向き、情報を収集して、地域の活動に参加することの大切さを実感した。今後、保健活動する際には、その視点を大切にしていきたい」また、「町会を知るきっかけになり、将来、自分たちも地域の一員として町会活動に参加したいと思うようになった」との感想が聞かれ、学生たちが地域を肌で知り、考える貴重な機会となりました。

2020.12.21