医学部医学科6年の角田進さんが、医学生・研修医の「日本内科学会ことはじめ2021東京」で優秀演題賞を受賞しました。また、角田さんを指導した消化器内科学教室の宮本尚彦医師に指導教官賞が授与されました。
本会は、内科を目指す学生や研修医がベッドサイドで経験した症例等を報告しあうなどして、内科への関心を高める場、また内科医としての実力を研鑽する場として毎年開催されています。4月10日、会場の東京国際フォーラムからオンライン開催された本会では、全国から300近い演題が発表されました。
角田さんの演題名は、「正中弓状靭帯による腹腔動脈圧迫症候群が原因となった胃Dieulafoy潰瘍の1例」です。
しばしば経験するDieulafoy潰瘍は、粘膜下層にある血管の走行異常が関与しています。対症療法に終わらず、その原因を腹腔動脈圧迫症候群と診断し根本的治療を施行しました。文献的考察により、珍しくはない腹腔動脈圧迫症候群を念頭において画像評価することの重要性と、一方でこの症例が非常に稀なことを知ることができました。
受賞した角田さんは、「宮本先生から研究発表の話をいただいたのは今年に入ってからでした。新型コロナの影響で思うように動けませんでしたが、オンラインで文献を調べるなど、少しでも実臨床に近づこうと努力しました」と話しました。そして、指導を受けた宮本先生へ「症例の原因や背景、データの読み方だけでなく、研究の面白さややりがいも教えていただきました」と感謝の言葉を述べました。
昨年に続き2年連続して消化器内科学教室で学ぶ学生が受賞したことについて、同教室の久松理一教授は、「単に胃潰瘍からの出血として終わらせなかったところが素晴らしい。常になんで?どうして?と追求することが臨床には重要なので、ぜひその姿勢を継続してほしい」とコメントを寄せました。