心臓血管外科学 市川助教がDistal Bypass Olympicで銀メダル

右より布川教授、市川助教、池添助教

右より布川教授、市川助教、池添助教

本学心臓血管外科学の市川洋平助教が、2021年10月12日〜13日に開催されたDistal Bypass Olympicで銀メダル(2位)を獲得しました。
大会は、模型を用いて血管吻合の技術を競うもので、第22回アジア血管外科学会学術集会(the 22nd congress of the Asian Society of Vascular Surgery)内で行われました。
本学術集会は、アジア諸国から多くの血管外科医が参加し、大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症、重症下肢虚血などの末梢血管疾患に関わる臨床研究、基礎研究について討論する場で、例年はアジア諸国を会場に開催される国際学会です。
今年は、旭川医科大学血管外科東信良教授を会長とし、札幌で開催する予定でしたが、Covid-19感染症拡大の影響のため完全Web開催となりました。

市川助教はsenior classに出場し、エントリーした25名の中から決勝戦に進出しました。決勝戦はファイナリスト4名がWeb上でライブ中継しながら血管吻合を行い、技術を評価する10項目をポイント制で競いました。市川助教は77.33ポイントを獲得し、銀メダルを受賞しました。


■Distal Bypass Olympicを終えて 心臓血管外科学 助教 市川洋平
今年会長を務められた東教授が率いる旭川医科大学血管外科は、下肢の血流不全、壊死をきたす疾患「重症下肢虚血」に対する治療として、下腿動脈バイパス術(Distal bypass)及びその研究に特に注力されており、同分野の世界的なトップランナーとして認知されています。重症下肢虚血に対するDistal bypass手術は、高度の動脈硬化性病変を有し、径も2mm前後と細い下腿動脈(前脛骨動脈、足背動脈、足底動脈など)を対象とした血管外科の中でも高度な技能を求められる手術です。

今回、Distal bypass手術の大家である会長、東教授の企画により、若手血管外科医のスキルアップ及び啓蒙の目的で、本学術集会内において第1回Distal Bypass Olympicが開催されました。大会は臨床経験1-6年目のjunior classと7-12年目のsenior classに分かれて実施され、卒後8年目の私はsenior classに出場しました。
大会は模擬血管を用いた縫合を撮影したビデオ審査での事前予選が行われ、senior classでは25名から選出された4名の決勝進出者がWeb上でライブ中継しながら血管吻合を行うという形式であり、普段の手術とは異なる緊張感に包まれた大会でした。
採点方式はフィギュアスケートの採点をイメージしたもので、3人の審判(血管外科医)が実臨床における血管吻合の重要点である10項目についてそれぞれ10段階でリアルタイムに評価するというものでした。
模擬血管を用いた血管吻合はこれから外科手術手技を学ぶ初学者にとっても安全なトレーニング方法であり、今後医学生や研修医の指導にも活かしていければと考えます。
患者様に貢献できる良き血管外科医となれるようこの結果を励みにさらに鍛錬を継続いたします。


2021.12.9