2023年度新開設予定「リハビリテーション学科」
オープンキャンパス開催報告

リハビリテーション学科が誕生(設置申請中)

 これまで理学療法士と作業療法士を多数養成してきた保健学部では、新たに2023 年4 月から言語聴覚士の養成を計画しています。学科は、「リハビリテーション学科」と再編し、理学療法学専攻、作業療法学専攻、言語聴覚療法学専攻の3専攻が設置されます。
 この3つのリハビリテーション職を育成することで、身体機能領域と脳機能領域を含む総合的なリハビリテーション教育を実現していきます。(詳細説明は:こちら

5月21日オープンキャンパスを開催

 5月21日(土)には、「PT・OT・ST って何だろう?-リハビリテーション学科について」と題したオープンキャンパスが開催され、高校生や保護者など約400名が参加しました。 シンポジウム形式で理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の仕事や3職種の連携について説明し、在学生2名からは大学生活が紹介されました。また、入試説明や実習室の見学ツアーなども実施されました。

言語聴覚士とは

●話す・聞く・食べる機能の回復を支援

 言語聴覚士(ST)は、話す、食べる、聴くといった器官・動作に関連した機能の回復支援を行います。例えば、救急搬送された脳梗塞の患者さんが医師によって救命され、意識が回復したら、次は栄養の摂取ができるのか判断が必要になります。STが、つばをどこまで早く飲み込めるかなど嚥下機能の評価を行います。食物の摂取ができそうであれば、作業療法士(OT)、理学療法士(PT)と連携して、リハビリを開始します。
 また、高次脳機能障害である脳卒中の患者さんが、言語障害になった場合、発話の機能回復に加え、精神的な面も含めた支援が必要になります。話すことは、自分の気持ちや考えを相手に伝えるという、人としての尊厳に関わります。そのため、心理学や言語学なども学び、他者への理解やコミュニケーション力を磨くことが大切になります。





●活躍の場

 支援を行う場は、大学病院、リハビリテーション病院、一般病院や耳鼻咽喉科クリニック、介護施設などがあります。また、自閉症や学習障害などコミュニケーションに障害がある子どもの支援として、小児科クリニック、特別支援学校、児童発達支援事業所などがあります。機能の回復(リハビリテーション)や補助支援の他に、生まれつき難聴の子どもに発話を教える「ハビリテーション」といった支援もあります。

●ニーズが高まる言語聴覚士

 数年前から日本耳鼻咽喉科学会では、言語聴覚士の雇用促進事業に取り組んでいます。これは、高齢化社会を背景に、耳鼻咽喉科のクリニックなどでも聴覚・嚥下・言語障害などのリハビリテーションにしっかり取り組んでいけるよう、現場でのリハビリ専門職スタッフの配置を目指したものです。こうした社会背景もあり、言語聴覚士の需要は年々高まりをみせ、供給が追いついていない状態です。 しっかりとスキルを身につければ、活躍の場は豊富にあります。


日常生活動作を支援する作業療法士

 私は、医学部付属病院で作業療法士(OT)として患者さんの支援も行っています。理学療法士(PT)が基本動作を支援するのに対して、OTは応用動作を支援します。例えば、脳梗塞の患者さんが食物の摂取(飲み込むこと)ができるかどうかを言語聴覚士(ST)に相談しながら、食事動作のリハビリを行います。OTは食事を阻害している要因を見極め、手の機能が問題であれば改善する練習や補助具を提案したり、集中力(高次脳機能)が欠如する問題があればその訓練を行ったりします。その際、食事場所までの移動方法や座位を保持する等の基本動作に関してはPTに確認するなど、密な連携が生じます。また社会復帰への支援として、計算が必要な仕事に復職する際にはより高度な脳機能の支援、細かな作業が必要であれば手の支援など、個人に合わせたリハビリ計画を立て、実践します。

 活躍の場としては、病院やリハビリテーション専門病院、介護老人保健施設、デイケアなどの通所施設などがあります。また、特別支援学校などの発達期や心の不調などの精神科領域も含め社会への参加に困っている人達全般を支援します。


基本動作を支援する理学療法士

 理学療法士(PT)は、身体の機能改善をサポートする専門家として、患者さんが寝ている状態から、起き上がる、立ち上がる、バランスを保って歩く、座るといった基本動作の再獲得を目指し、リハビリを行っていきます。 また、立ち上がれるようになった患者さんに対して、PTが転倒なく、より安定した動作が行えるように介助しながら、日常生活の具体的な手順について作業療法士(OT)からアドバイスをもらうといった、リハビリ職種間での連携が自然に行われます。

  活躍の場としては、病院やクリニックを中心に高齢者施設や訪問リハビリまで含めて幅広く、脳卒中や骨折後などの身体の機能回復・改善といったリハビリを行います。また、健康増進や障害予防の側面からもPTは注目されており、行政に関わって健康寿命延伸に取り組んだり、競技スポーツのパーソナルトレーナーとして活躍する人もいます。PTに対する社会的ニーズは非常に大きいので、学生のうちにしっかり学び専門性を身につけるといいでしょう。


在学生に聞く

 ≪オープンキャンパスでは、在学生から授業や大学で好きな設備などについても話してもらいました。≫

【作業療法学科3年 大塚葉月さん】
 1年次には、理学療法学科と一緒に色々な基礎科目を学び、後期には見学実習などの実習科目が始まりました。2年次からは患者さんの身体機能の回復に必要なことを評価するなど専門の学びが増えます。ペアワークで寝返りの指導法を学んだり、国家試験に向けてグループ学習をしたり、座学だけでは学べない対話型の学びを取り入れた授業は得るものが多くあります。
 大学の設備では、図書館をお薦めしています。静かな環境で集中できるため、授業後に夜遅くまで図書館で勉強することもあります。


【理学療法学科3年 多田凌空さん】
 1年次には、解剖学や理学療法概論など基礎知識を学びます。専門性が高くなる3年次の現在は、神経障害などの各領域を学んでいます。私は、循環器や呼吸器などの内部障害理学療法学に興味が深まり、将来はこの分野のリハビリに携わりたいと思っています。
 実習室には検査器具や高度な機器がそろっていて、友人と実技の練習などで授業時間外でも利用できる環境が嬉しいです。また、私も図書館が魅力的な施設だと思っています。落ち着く環境で、専門書が沢山あるため、授業の復習や、論文の執筆の際に文献を探したりと活用しています。保健学部生は、国家試験の勉強もあり忙しいイメージがありますが、バイトで同年代の人と交流したり、オフの時間も楽しんでいます。



 
井の頭キャンパス C棟2階~4階にある図書館。
2階はオープン学習エリア、4階は自然科学系の書籍があるフロア


教授陣からのメッセージ

 リハビリ職は、自分より弱い人、困っている人と接する仕事です。相手の気持ちを大切に、受容と共感ができるコミュニケーション力が大切になります。医療人のたまごを目指して、ぜひ頑張ってください。リハビリテーション学科では、より適切で、質の高いリハビリテーションを実践できる教育環境を整えています。


実習室見学ツアーの様子

  


保健学部の特長

  • 急性期医療で活躍できる医療スタッフを育成
  • チーム医療を実践できる医療スタッフを育成
  • 医学部付属病院との連携
  • 実践的な少人数教育

  •  本学保健学部では、開設予定のリハビリテーション学科の他、臨床検査技術学科や救急救命学科など、医療現場で求められる専門職業人を8学科5専攻、11種類の専門分野*で育成しています。
     各領域が専門化・細分化されていく現代の医療の中で、チーム医療は益々重要になっています。そのため、保健学部では分野を越えて連携することのできる人材の育成に力を入れています。
     本学には、高度救命救急センターを有し、急性期医療の基幹病院である医学部付属病院があります。実習などで蜜に連携することで、高いスキルとチーム医療のあり方を実践的に身につけていくことができます。また、学生12人に対して教員1人と少人数教育を行っているため、学生一人ひとりに丁寧に、より効果的な指導を行うことができます。
     こうした特長を生かし、再編されたリハビリテーション学科で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を目指す人材が密に連携することで、専門性高く、チーム医療を担える人材を育成していきます。

    *2023年度時点。設置申請中のリハビリテーション学科を含む


    2022年度のオープンキャンパス情報

    今後も6月10日(オンライン)、8月7日など保健学部のオープンキャンパスを開催していきます。
    詳細は【HP】をご確認ください。

    2022.6.1