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日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会2023 開催報告

 本学保健学部リハビリテーション学科理学療法学専攻木村雅彦教授を大会長に、日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会2023が開催されました。ここにご報告いたします。

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保健学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
教授 木村雅彦


 日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会2023(第9回日本呼吸理学療法学会・第7回日本循環器理学療法学会、略称:RCVPT2023)を、日本呼吸理学療法学会と日本循環器理学療法学会の大会長を同時に務める初めての合同学術大会として、それぞれの学会における最多演題数、最多事前登録者数を得て、東京お台場の日本科学未来館7階未来館ホールほかを会場として、対面およびライブ中継ならびにオンデマンド配信を組み合わせたフルスペックでのハイブリッド開催いたしました(8月14日〜事前動画先行配信、9月2日・3日対面開催およびライブ配信、9月17日〜10月14日オンデマンド動画配信)。

 主要な大会長企画にはいずれも呼吸と循環の両方から演者と座長を迎え、それぞれの領域や分野でトップランナーの理学療法士や関連する医学会でも積極的に活動している理学療法士に登壇していただきました。加えて、日本集中治療医学会から診療科標榜や集中治療理学療法士制度の設置とあわせた設立50周年記念事業の一環として西田修理事長をお迎えし、3学会の合同シンポジウムとして理事長・副理事長が会場で対話交流する機会を設けることができて感無量でありました。また、循環器理学療法学会の循環器対策基本法委員会企画には理学療法士である田中昌史参議院議員にビデオメッセージをお寄せいただき、現職国会議員に理学療法士がこの領域にいかに関与し推進すべきかをお示しいただく貴重な機会を得ました。

 本大会では呼吸と循環の理学療法学の高度な専門性と同時に相互の交流を通じた活発な議論を求め、また更に今後の研究活動への貢献を意図して、既定の賞に加えて独自の表彰を設定しました。いずれも賞の詳細を予め公開して演題を募集し、各学会の規定通りの査読を経て採択選出された優秀演題に対して審査員による審査を行い決定したもので、合同学会記念の特別最優秀演題賞には”Best RCVPT Award”、また、症例報告の臨床的価値を重視した最優秀症例報告賞には格闘奮戦した理学療法士への称号として “Top Gun Award” を冠しました。このようなコンペティションも合同開催学会だからこそ実現できたものと満足しております。

 広報活動は例年以上にTwitter(現X)をはじめとするSNSを多用し、関連する他学会とのコラボレーションや有志ボランティアのインフルエンサーも活用して、レクチャー動画の事前公開や、当日のライブ視聴ならびに後日のオンデマンド配信期間を設けたことで、ワークスタイルやライフイベントにも応じて参加しやすい学会を目指しました。学会当日は会場の日本科学未来館の夏休み企画最終日にも重なったこともあり、特に子連れの家族参加を歓迎し、大変に盛況でした。日本循環器学会の禁煙マスコットすわん君も2日間会場にコラボレーション登場し、老若男女の区別なく参加者の多くの笑顔を印象付けていただきました。会場である日本科学未来館からは準備の数年間にわたり常に好意的に対応いただきました。会場情報公開とともに施設の持つ科学性や未来性と本大会の特色やメッセージとの相乗効果によって、会員や参加者から大変な好評価をいただき、さらに会期終了後も引き続き寄せられており、素晴らしい会場で開催できたことに感謝しております。

 この過去に例のない合同大会の準備委員会組織は、両学会の準備委員長と事務局長を核として、企画、広報、渉外、運営、事務局の各セクションにそれぞれ呼吸と循環の両方から優秀な委員がこぞって集結し、それぞれの学会の特色や継続性を踏まえた上で、機能的にかつ発展的に準備を進めて参りました。オンラインツールを活用した報告や連絡や相談と会議を繰り返し、特に開催までの約1年半に渡って様々な次元の提案と問題解決を繰り返し進歩して来ました。この準備委員同士の交流は合同開催を決定したときから重要なテーマとして掲げてきたものであり、まさにかけがえのない財産であります。

 日本呼吸・循環器合同理学療法学会学術大会2023では、呼吸と循環の両輪が組み合わさり、優秀な研究者と臨床家が一堂に会し、準備委員組織が存分に力を発揮し、参加者が主体的にかつ多様なスタイルで満足を得られる学会を目指した結果、ありがたくもいくつかの記録を更新して盛会に開催できましたが、それ以上に、参加者の記憶に残る学会を執り行うことができたものと確信しております。ご参加ならびにご支援くださったすべての方々に深く感謝を申し上げますとともに、次年度は再び独自開催の形式となりますが、今回の合同学会をその起点としてそれぞれの文化を進め、さらに誇らしく信頼される理学療法学が推進され、科学と未来を創ることを祈念しています。

2023.9.30