本年3月で退任を迎える要伸也教授の最終講義が、2月28日(水曜日)16時30分より、三鷹キャンパス大学院講堂で行われました。タイトルは「拡大する腎臓病学、深化するリウマチ学 ~次世代へのメッセージ~」でした。
要教授は、2007年に杏林大学に赴任され、2017年からは腎臓・リウマチ膠原病内科学教室を主宰されるとともに、腎臓学会の理事・編集委員長、第51回日本腎臓学会東部学術大会大会長、腎臓病・血管炎分野の複数の研究班等でご活躍されました。本講義では、これまでの研究成果に加え、ANCA関連血管炎、急速進行性糸球体腎炎(RPGN)等多くのガイドラインの作成や改訂にたずさわり、中心的な役割を担われた経験について紹介されました。
後半では慢性腎臓病(CKD)診療について触れられ、CKD診療がこの10年で大きく進歩し、患者さんの腎予後が大変改善していることを示されました。その理由として、CKD概念が定義され、予防法、治療薬の進歩したことが大きく寄与していることを挙げられました。しかし、この恩恵を患者さんにとどけるためには、地域連携、多職種連携が大切であるという思いを話されました。さらに、腎臓病療養指導士制度の委員長として創設から携われたことも紹介されました。
最後に、「Think Global, Act Local.」、「真善美:Science & Art, 善=それは正しいことを行うということ」、「出会いを大切に」、これらの言葉を次世代へのメッセージとして残されました。
要教授は、腎臓病学、リウマチ膠原病学の進歩に大きな貢献されたこと、多岐に渡る業績を改めて知ることができました。要教授ご自身のこれまでの歩みというかたちで本日の最終講義で示された医学に対する姿勢は、私たちの記憶に残るものとなりました。
講義終了後には、要教授への感謝の言葉とともに花束が贈呈されました。
ご多用中のところ、最終講義へご来場いただいた皆様には、心より感謝申し上げます。