本学医学部臨床検査医学教室 安戸裕貴准教授、大西宏明教授のグループは、順天堂アトピー疾患研究センター、国立成育医療研究センター、オーストリア医科大学等との共同研究により、マカダミアナッツアレルゲンMac i 2に対する特異的IgE測定法がマカダミアナッツアレルギーの診断において有用であることを報告しました。
この研究の内容は、雑誌「Journal of Allergy and Clinical Immunology in Practice」に3月12日付けで掲載されました(インパクトファクター9.4)。同准教授らのグループは、以前にもマカダミアナッツアレルゲンMac i 1に対する特異的IgE測定法の診断有用性について同雑誌に報告しています (Yasudo, et al. 2022)。
近年、日本においてナッツアレルギーは急激に増加しています。マカダミアナッツ摂取によるアレルギーは、くるみアレルギー、カシューナッツアレルギーに続いて多く認められ、今後も増えることが想定されます。また、2023年12月に消費者庁によりマカダミアナッツが新たなアレルギー表示推奨品目として追加されました。
ピーナッツやナッツなどの食物アレルギーの診断には、アレルゲンを単位とする診断法(Component Resolved Diagnostics; CRD)が注目されており、ピーナッツアレルゲンAra h 2、くるみアレルゲン Jug r 1に対する特異的IgE測定法は、ピーナッツアレルギー、くるみアレルギーの診断に有用な検査として日常診療にも利用されています。今回の発見によりマカダミアナッツアレルギーの診断に対する精度の高い検査法の実用化の推進が期待されます。
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