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北タイでHIV感染者のケアに関するJICA草の根技術協力事業が始動

メーホンソン県の衛生局長と関係者と協議

メーホンソン県の衛生局長と関係者と協議

チェンマイ県衛生局のHIV担当者と

チェンマイ県衛生局のHIV担当者と


 2024年7月、JICA草の根技術協力事業(支援型)「北タイの保健センターにおけるHIV感染者ケアの仕組み(サンパトンモデル)の普及」(以下、プロジェクト)が始まりました。
 このプロジェクトは、杏林学園がJICAから委託を受け、タイのチェンマイ県の2郡とメーホンソン県内の2郡で実施します。
 タイでは現在、HIV感染者は約56万人いると言われています。タイ政府は「2030年HIV撲滅」を目標に掲げて継続的な取り組みをしています。本プロジェクトもその一翼を担うものとして進められます。
 プロジェクトでは、各郡で一定の基準を満たしたHIV感染者を地域病院から保健センターに紹介し、適切なケアを継続できるようにするための仕組みをつくることを目的としています。そのために、保健センターのスタッフへの研修や紹介する患者の基準の作成、病院と保健センターの間で患者情報を交換・共有するための仕組みづくりなどを行います。

 このプロジェクトは、2017~19年にかけて、チェンマイ県サンパトン郡で実施したプロジェクト(※)の後継で、サンパトン郡で構築した仕組みを他の郡でも実施するという意味で、「サンパトンモデルの普及」がプロジェクト名に含まれています。ただ、各郡の状況はサンパトン郡とは異なるため、これから2年間かけて、それぞれの郡にあった仕組みを構築していきます。
 杏林学園からプロジェクトに参加するのは、感染症疾患などが専門の医学部付属病院感染症科の倉井大輔教授、日本エイズ学会認定HIV感染症指導看護師の資格を持つ徳山麻里子看護師、保健医療研究などが専門の総合政策学部の岡村裕教授(プロジェクト評価者として参加)です。私はプロジェクト・マネージャーとしてタイのカウンターパートと協議をしながら、プロジェクトの進捗状況の管理をしていきます。

 8月7日から9日に、メーホンソン県とチェンマイ県の衛生局、地域病院の方々とプロジェクトの実施体制づくりについて協議をしてきました。現地では、コロナ流行中に、地域病院と保健センターの間を遠隔医療のシステムで結び、高血圧や糖尿病の患者のケアを保健センターで提供するようになりました。協議ではこのシステムにHIV感染者のケアを加えてはどうかといった意見も出されるなど、今後の活動に繋がる前向きな話がでました。
 9月には徳山看護師、岡村教授と各郡を訪問しプロジェクトのキックオフを、11月にはタイ側の主要メンバーを招き本邦研修を行うことをそれぞれ予定しています。進捗状況を適宜報告します。


メーホンソン県パンマパ郡の地域病院長およびHIV診療チームと

メーホンソン県パンマパ郡の地域病院長およびHIV診療チームと

チェンマイ県チャイプラカン郡の地域病院院長と

チェンマイ県チャイプラカン郡の地域病院院長と