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北タイ・JICA草の根技術協力事業(第3報)本邦研修を実施

総合政策学部教授 北島 勉

 杏林学園は、JICAから委託を受け2024年7月から北タイでHIV感染者のケアに関する活動に取り組んでいます。これまで本学関係者が北タイを訪問し現地の関係者と本プロジェクトについて協議を重ねてきましたが、11月4日から8日にかけて、今度はメーホンソン県とチェンマイ県の衛生局と地域病院の関係者13人を招へいし、本邦研修を行いました。これは日本のHIV感染予防や感染者ケアの現状と課題を学習してもらい、プロジェクトの活動に活かしてもらうことが主な目的です。

 タイの参加者の皆さんは、研修の最初に本学の松田剛明理事長を表敬訪問し、タイのHIV感染症の推移、対策や課題について報告しました。松田理事長からは、プロジェクトの成功を祈念する言葉がありました。その後、臨床感染症学の倉井大輔教授から杏林大学病院での取り組みに関する講義を聞き、日本やタイが抱える課題について議論を行いました。

タイのHIV感染症の現状について報告

タイのHIV感染症の現状について報告

Dr. Waranyu(チェンマイ県衛生局長)から松田理事長に記念品の贈呈

Dr. Waranyu(チェンマイ県衛生局長)から松田理事長に記念品の贈呈

 午後は、倉井教授と德山看護師の案内で大学病院内を見学しました。患者のプライバシーの保護、予約システムの運用、院内での患者情報の伝達や共有などについて熱心に質問していました。タイでは、HIV感染者の外来診療を一般患者と分けて行っていますが、そのやり方を見直したり、医療者と患者が安心して話せる環境づくりに取り組みたいという意見も出ました。

倉井教授とのディスカッション

倉井教授とのディスカッション

病院見学後の記念撮影

病院見学後の記念撮影

 杏林大学病院の他には、弘済園、しらかば診療所、新宿区保健所、コミュニティーセンターakta、国立国際医療研究センター・エイズ治療・研究開発センターを訪問し、それぞれの施設で行われている診療や活動に関する話を聞き、意見交換を行いました。最後に、JICA東京センターでJICAの担当職員の方々に、本邦研修の総括と今後の予定について報告をし、本邦研修を終えました。

 5日間の短い研修でしたが、HIV感染症対策だけではなく、医療サービスの提供の仕方や施設整備に関するアイデアを得ることができたとのことでした。ご協力をいただきましたみなさまに深謝いたします。

 今後は4つのプロジェクトサイトごとに、保健センターでHIV感染者のケアを提供するための仕組みづくりと保健センターの看護師等を対象としたHIV感染者ケアに関する研修プログラムを策定し、実施します。

2024.11.10



第2報 キックオフミーティングを実施  
第1報 北タイでHIV感染者のケアに関するJICA草の根技術協力事業が始動

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