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広東外語外貿大学留学から帰国した学生の体験記を紹介します

2018年度 広東外語外貿大学に留学した学生の体験記を紹介します。


渡航期間:2018.8~2018.12
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外国語学部中国語学科 市村 美奈実

 実のところ、私は留学へ行く前まで「留学」というものに全く興味がありませんでした。
 語学の才能があるわけでもなく、人と話すことも苦手な上に突出した特技もない私は以前、留学という行為が無駄に思えて仕方なかったのです。
 今回の留学は、大学二年生の夏頃の募集期間終了間際にようやく応募したことがきっかけで始まりました。それも家族や先生方に執拗に勧められ渋々踏み切ったもので、本来ならば交換留学という形で一年間留学した方が金銭的にも負担が少なく済むものを、我が儘を言って半年間の留学ならば…と妥協したことは記憶に新しいです。
 コミュニケーション能力もあり中国語に関しても遥かに優秀な同級生達であれば、留学は実りあるとても素晴らしいものになるでしょう。しかし、過去の私は「私程度の人間ではただ中国へ場所を移したところで何も成果を残せない、日本で通常通り授業をとっていた方がずっとましだ」と思い込んでいました。何よりも噂で聞いただけの情報を無意識に鵜吞みにして、中国に関する事柄を知った気になっては遠ざけていたことを今では恥ずかしく思います。日本での中国の噂といえば悪いものばかりが目立ちますが、実際に現地へ行ってみれば決してそう悪いばかりでないことが理解できるでしょう。
 「留学」と聞くと、一般的にその第一の目的は語学力の上達だと言う人が多いかと思います。勿論私自身もそうですが、私に留学を勧めてくださった先生が言った「無理に語学力を伸ばそうとしなくても、中国の人々の生活であったり環境であったり…実際に見て経験してくるだけでもいいから行ってみなさい」というその言葉は想定外でした。またそれは私の感じていた重圧を取り払うものであり、決断に至った理由のひとつになりました。
 中国へ行ってからの生活は初めての経験ばかりで、慣れるまでに試行錯誤しましたが今となっては良い刺激になっていたと感じています。特に驚いたことは留学先である広東外語外貿大学の教育の丁寧さで、私の居た環境は教師や授業の質どれをとっても非の打ち所がないほど良かったと思います。また、クラスメイト達も全員優しく本当に素敵な人ばかりで、懸念していた友人関係や交流についても全く困る事がありませんでした。留学中の半年間、傍に日本人が居ると甘えてしまうと思った為に極力日本人とは関わらないように過ごしていましたが、むしろそれが良い方向にむかっていったと思います。
知らなかったこととはいえ、今では最初から一年間の留学を選んでいれば良かったととても後悔しています。中国語を学ぶならば日本に居るよりも中国へ行き学んだ方が圧倒的に有意義だと切実に感じました。





渡航期間:2018.8~2018.12
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外国語学部観光交流文化学科 齋藤 美和

 私は約四か月間中国の広東外語外貿大学に留学していました。この四か月は私にとってとても大きな意味を持つものになりました。出発前から観光交流文化学科である私が中国語圏に留学することには周りの多くの人が疑問を抱いていました。しかし、私は留学が終わった今中国に行ったことに大きな意味があったと感じています。
 この留学が始まったとき私の中国語力は絶望的でした。初日から様々な手続きを行わなければいけない中、私が話せる中国語は名前と日本人だということだけで、相槌の仕方さえよく分かりませんでした。学校の手続きは中国語か英語で行われるため、私はなんとか英語を使って行いました。ただ、私の周りにいる留学生のほとんどは英語には問題がなく、英語が母語である学生も沢山います。語学力の低さはもちろん、自分だけ何もできないという悔しさや悲しさを初日から強く感じました。
 私が行った広東外語外貿大学には留学生学院が設置されており、私たちは毎日各国からきている留学生とともに授業を受けました。アジア、ヨーロッパ、アフリカ、これまで出会う機会のなかった人たちと接する中で、文化の違いを感じることが沢山あり世界への興味が強まりました。また、私はロシア人の女の子と四か月間同じ部屋で暮らしました。このような経験はこの先もうできないと思います。二人の共通語は英語だったので、英語の勉強になったことはもちろん、一緒に暮らす中で「日本が普通」だとは思わない、広い視野を身に着けることができました。
 そんな中で私が最も強く感じたことは諦めないことの大切さです。ありきたりな言葉ですが、自分の語学力のなさや弱さに絶望する中この気持ちにだけ助けられてきました。もちろん頑張ってうまくいったこともあれば、うまくいかなかったこともあります。せっかくの四か月、ただ部屋で寝ていても過ぎていく四か月をどう過ごすか、私は毎日考え悩んでいました。そんな中で出てきた自分のやりたい事は、全て挑戦すると決めていました。特に、語学力向上の為にも広く文化を知り人として成長するため、人との関わりを増やす事が大事だと考え、交流会を見つけて参加をし、趣味でコミュニティを広げ、ごはんの誘いにもまず乗りました。私の中国語力の無さ、周りの英語レベルを考えるとこのような活動に一人で参加することは思っていたよりも大変で、上手くいかずに家に帰って反省することばかりでした。ただ、その気持ちがまた勉強へのモチベーションにつながり好循環を生んでいたと思います。
 ただ、この四か月で語学は甘くないことを思い知らされました。そんな中で、自分の状況を客観的に見て今できる範囲内で諦めないことの大切さにも気づきました。それを踏まえたうえで勉強を続けたことで帰国の前には中国語で楽しくコミュニケーションをとっている自分がいました。もちろん簡単な話しかできず当時は反省ばかりしていましたが、今は四か月間の成長を自分で認めることができます。客観的に成長を認められるようになったことも私にとっては大きな収穫です。修了式のパーティーでクラスメイトと楽しく話しているとき、帰りの飛行機で隣の中国人の方とたわいもない話をしていた時、私は語学の本当のおもしろさに気づけた気がします。
 最後に、私の留学生活を豊かにしてくれた現地の友人達に言い表せないほど感謝をしています。人とのつながりは、コミュニケーションが大好きな私にとって一番の宝物です。日本でこの留学を支えてくれていた人への感謝も含め、この経験を無駄にしないよう頑張ります。そして観光交流文化学科らしく、中国という国の素晴らしさを広めていけたらいいなと思います。