【トピックス】 「英語の楽しみ—通訳者の経験から」小松達也先生講演報告
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6月12日(土)午後1時より、日英会議通訳・同時通訳の草分け的存在である小松達也先生が、「英語の楽しみ—通訳者の経験から」という演題で外国語学部英語学科の2年生に向けて講演を行いました。この講演会は英語学科の「キャリア指導I-1」の一環として企画し、小松先生が設立したサイマル・アカデミーでご縁があった本学中国語同時通訳の塚本慶一先生の働きかけで実現したものです。
小松先生は、米国国務省の通訳として24歳でアメリカに渡り、以来今日に至るまでフォード、クリントン、ブッシュ大統領をはじめ、日本の多くの首相の通訳を数知れずこなされました。もちろん、政界だけではなく、財界・経済界・時にはスポーツ界の大スターとも通訳の世界を通して交流されてこられました。
そんな小松先生のエネルギーの源は何よりも英語が大好き、通訳が大好きで好奇心が旺盛なこと。「私は英語しか取り柄がなく・・・」という謙遜した表現の裏に明かされた、学生時代の地味で目立たないものすごい努力の日々。名実共に英語に掛け、ひとつのことを極めた人生を、参加者の誰しもが感じ取りました。
そうした素晴らしい経歴を自慢するわけでもなく淡々と語られる口調は同時にまた、小松先生の人柄の素晴らしさをも表していました。ご講演の最後には、質疑応答の場を設けてくださり、本学の学生たちの等身大の質問に同じ目線から丁寧に答えてくださったのが、また印象的でした。
英語は、今世界でもっとも必要とされる言語であり、グローバル化が進む地球においてその必要性は増すことこそあれ、減ることはありません。日本国内の議論を内向きに終わらせず、世界に向けて発信していく技術はこれからますます重要になるでしょう。日本語と英語のコミュニケーションの世界を追及してきた小松先生の情熱とエネルギーが、日本の未来を担う若者に伝わってくれたことを願ってやみません。
外国語学部英語学科准教授 高木眞佐子 |
2010.6.14 |