【トピックス】教員志望の学生に向け 子どもの教育・学習支援に関する講演会を開催
○教職課程特別講義
−NPO法人Learning for All代表理事・松田悠介氏を迎えて−
10月19日(火)午後6時より、松田悠介氏(NPO法人Learning for All(Teach for Japan))を講師に迎え、教職課程特別講義を八王子校舎で行いました。
松田氏は中学校の体育教師を経て後、ハーバード大学教育大学院で修士号を取得。留学中に、教員が手薄な貧困地域の公立学校に大卒の若者を2年間派遣する「NPO・Teach for America」の活動を知ることに。この活動を日本でも実現したいと思い、帰国後Learning for Allを組織して活動を始めています。
この日は、教職課程を履修する外国語学部、総合政策学部、保健学部の2、3年生約140名が参加し、熱心に講演に耳を傾けました。
講演で松田氏は自らの体験・経験そして現在の活動についてお話しくださいました。前半は、中学時代にいじめを受けたが、体育の先生にヒントを与えられてそれを克服した経験、大学時代に子どもたちの学習支援として無料学習教室を開いた経験、体育教師として教育現場に立った経験、教師として壁にぶつかりアメリカに留学、そこで貧富の差による学力格差の解消を目指すTeach for Americaに出会ったことなどを話されました。
松田氏は昨年春に帰国してNPO法人Learning for Allを設立。現在は実績を積むために大学生の講師ボランティアを派遣する事業を進めています。
後半は、今年8月に八王子市内で中学生約25名にボランティア大学生を派遣して補習授業をするサマースクールを開催したことを紹介されたほか、自らの教師としての体験やアメリカでの勉学経験から教師にはマネジメント力、リーダーシップなどのソーシャル・スキルが必要なこと、教員を目指す明確な意思を持つことが重要と述べられました。
また、経済的理由で勉強に取り組みにくい子どもたちに対して学習支援をすることで、教育格差是正に取り組んでいること、そして一人でも多くの子どもたちに「勉強が分かった」「面白い」という達成感を味あわせてあげたいことなどを話されました。さらに、これらを含めて日本の教育界に問題提起をしていきたい、夢を追い求めることの大切さ「夢力(ぢから)」を多くの子どもたちに実感してもらいたいとの思いで日々活動していることなどを熱心に語ってくださいました。
学生たちは、松田氏の教育や子どもたちに対する熱い思いを真摯に受け止め、「ボランティアに積極的に取り組みたい」、「行動することの大切さ、子どもたちの『分かった』と言った時の笑顔を見たい」、「達成感を味あわせてあげたい」、「学校現場に触れることの意味が理解できた」、「なぜ教師になりたいのかもう一度深く考えてみたい」、などの感想を寄せました。
松田氏の講演は学生たちに大いに刺激を与えてくださいました。なお、同じく教職課程を履修する三鷹校舎の保健学部看護学科生に対してもビデオ放映会を行う予定です。