本学大学院国際協力研究科開発問題専攻(博士後期課程)の院生・関口美緒さん(指導教授:今泉喜一教授)が2012年3月15日(8:00〜15:15)にカナダ・トロントのシェラトンホテルで開催された、全米日本語教師学会(AATJ:American Association of Teachers of Japanese)の春季大会(2012 Annual Spring Conference)で研究発表をしました。
学会発表中(シェラトンホテル、トロントにて)
全米日本語教師学会春季大会 研究発表を終えて 大学院国際協力研究科 関口美緒 この教師会は全米、カナダ、オーストラリア、欧州、日本に1300名以上の会員を持つ日本語教師学会で、本部はコロラド大学ボルダ ー校にあります。当日は約80名の発表(個人・グループ発表)がありましたが、分野は「日本語教育法」、「日本語言語学」、「日本 文学」、「第二言語習得」、「言語文化に関する報告」などに及んでいました。 私は博士論文の研究課題である「日本語心理動詞研究」の内容の一部、「Aspectual Idea of Japanese Psychological Verbs(日本 語心理動詞の時間的観念の考察)」というテーマで発表しました。心理動詞のアスペクトを「心理動詞と完了の後項動詞との結合関係」 及び、指導教授・今泉教授の創案になる「局面指示体系」とから分析し、得られた2種類の分析結果について発表しました。従来の動作 アスペクトを分析する方法(例えば、時間の副詞との共起関係からの分析)とは異なる新しい方法による分析であることに特徴がありま す。 本学会は英語話者を対象に教鞭をとる教師がほとんどであるため、日本語と英語のアスペクト局面や時間の感覚の違いに興味を持って 聞いた会員も多いと思われます。質問にそれが表れていました。レジュメは30部用意しましたが足りませんでした。 この7月に発行される『言語と交流15号』(凡人社)に論文「日本語感覚動詞の特徴−生理的現象から言語表出のプロセスを考える」 が掲載されます。現在は「日本語知覚動詞」について研究を進めていますが、今後、心理動詞の下位分類の動詞群において、生理学・心 理学の知見をさらに取り入れて、言語表出のありかたを研究していくつもりです。 |