第23回東京都臨床工学会が5月17日、東京女子医科大学弥生記念講堂で行われ、養成校セッションの部で大学院保健学研究科の古関正俊さんが発表した「光学特性値に基づく治療用レーザ装置の検討」が都臨工Awardに選ばれました。
「都臨工Award」は学術の向上に貢献する優秀な発表に送られるもので一般演題だけでなく、若い技士や養成校の学生を対象としたセッションが対象となります。
また、「都臨工 award」に選ばれた者は、第6回関東臨床工学会へも推薦され、より多くの専門家の前で発表の機会を得ることになっています。
古関さんの発表は、外科的治療や美容などで用いられているレーザ治療装置の波長を応用して新たなレーザ装置を開発するというものです。
現在レーザ治療装置に用いられる波長以外にも、利用対象となる組合せが存在すると考えた古関さんは、生体組織の広域な光学特性値を求めることで、既存の組合せ以外に利用可能な波長を見つけ、新たなレーザ治療装置を提言することを試みました。
その結果、実験で発見した波長と生体組織との組合せは、既存のレーザ治療装置よりも、さらに極表面のみで効果が生じることがわかり、微細治療への可能性が示唆されました。
このことから古関さんは「近年の医療業界のトレンドである低侵襲治療へとつながるのではないかと考えています。今後は、実際に応用可能なレーザ装置による照射実験を行い、計算通りに作用効果が得られるか検討していく予定です」と意気込みを話しています。