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総合政策学部久野ゼミが南台科技大学と交流

南台科技大学の学生と(花園夜市にて)

南台科技大学の学生と(花園夜市にて)

 8月3日から7日にかけて、久野ゼミ(総合政策学部)が台湾の台南と高雄でゼミ合宿を行いました。
今年度の合宿は、杏林大学の海外協定校でもある台南の南台科技大学の学生達との交流に力点をおいたプログラムとなりました。以下、参加学生による声を紹介します。


台湾を訪れて 総合政策学科2年 山口美咲

 出発する2週間前、台湾からの交換留学生をゼミに招き、事前学習として台湾の経済や歴史について発表を行った。しかし、いくら教科書を読んでも実際に訪れるまでは台湾について漠然としたイメージしか湧かず、一体どのような場所なのか、どのような人々が住んでいるのか、勉強を進めるうちに様々な疑問が湧いてくるようになった。
 私自身初の海外ということもあり、出発日まで何とも言えない不安が付きまとっていた。いざ台湾に到着すると、見るものすべてが刺激的で、それまで抱いていた不安はいつのまにか消え去っていた。町並み、喧騒、バイクの排気ガス、食べ物の匂い、五感すべてで初めての台湾を感じた。
 合宿初日は夕方に桃園空港に到着後、新幹線(台灣高鐵)で台南に移動、ホテルに到着したのは夜の10時頃であった。

南台科技大学の学生と(高雄のレストランにて)

南台科技大学の学生と(高雄のレストランにて)

 二日目からは、今回の訪台のひとつの目的であった南台科技大学の学生達との交流がはじまった。朝、ホテルのロビーで久野ゼミ23名と台湾の学生10名が初めて顔を合わせ、日台混合の小グループに分かれて慣れない英語で自己紹介を行った。その後、ボートでマングローブの原生林を探索するエコツアーに参加し、続いて台湾の学生の案内で安平のゼーランダ城や老街などを訪問した。台湾の古都である台南市内の散策も非常に印象的であったが、なによりも感銘を受けたのは、案内してくれた台湾の学生達の「おもてなし」である。お互い慣れない英語でのやり取りであったため、円滑に意思疎通が取れたわけではないが、彼らには言葉が通じなくとも場の雰囲気を明るくするパワーと突破力があり、何とかして我々に楽しんでもらいたいという気持ちが120%伝わってきた。昼は台湾の学生がセレクトした地元の食堂で初めての台南料理を体験し、午後は北門の塩田などを見学、夜は小籠包の店で夕飯をとり、徐々に日台の学生間の距離感も近づいてきた。
 三日目は高雄まで移動、グループごとに自転車をレンタルして高雄市内を見学した。途中自転車とともにフェリーに乗り、アジア有数の国際港である高雄港を眺めながら旗津半島にわたり、海辺でのサイクリングも楽しんだ。四日目は南台科技大学の学生に加え、現地の高校生との交流活動も行った。観光コースに所属する高校生ガイドの案内で、日本統治時代に台南州庁として建設された国立台湾文学館などを案内してもらった。高校生もとても快活で、一生懸命案内をしてくれた。
 四日目の夜、台南最大の花園夜市を訪問した。台湾で食べたものはどれも美味しかったが、ここで初めて食べたコオロギも意外と美味しかった(台湾の学生いわく、現地の人もあまり食べないそうだが)。夜市から帰った後は、台湾の学生が盛大な送別会を開催してくれ、帰国日の早朝にも10名全員がホテルまで見送りに来てくれるという最大限の「おもてなし」を受けて帰国の途についた。
 4泊5日という短い滞在であったが、私は台湾が大好きになった。それはもちろん、台湾に住む人達や南台科技大学の学生達の暖かさやおもてなしがあったからだ。私はこのゼミ合宿において一点、後悔していることがある。それは感謝の気持ちを相手に上手く伝えることが出来なかったことだ。中高で習ったとはいえ、実践的に英語を使ったのは今回初めてで、言いたいことの全てを伝えることは出来なかった。今後彼らが日本を訪問した際、十分に伝えられなかった感謝の気持ちを伝えるとともに、何倍にもして今回の恩返しをしたい。パワフルでいつも笑顔の絶えない南台科技大学の学生達に再会できることを願っている。



台湾でのゼミ合宿で得たもの 総合政策学科2年 吉野 聡

 初めての海外。ゼミ合宿で行くのだから勉強のためであり、遊びに行くわけではない。当初はこのように少し堅苦しい気持ちでいたというのが本音である。
 ところが異国の地に足を踏み入れ、日本とは全く異なる町並み、日本ではありえない喧騒や匂いを全身で感じた瞬間、いつのまにか私の好奇心は膨れ上がった。教科書を読むだけではあまり興味が湧かなかった台湾の文化や歴史についても積極的に耳を傾けている自分がいた。訪問した博物館では、戦前に日本人が著した書物が大事に保管されていて、高校生も歴史の授業でその著者について学ぶことがあるという。日本人でありながら知らないことが多く反省もしたが、日本の文化の一部を今でも大切にしてくれていたのかと思うとどこか心が温まる。

台南名物の担仔麺

台南名物の担仔麺

 台湾人が親日的であるということは良く知られている。親日的である理由についても事前に勉強していったはずなのに、実際現地の学生達と交流してみると、「どうしてそんなに親切なの」と思わず聞きたくなってしまうほど、彼らは優しさに満ちていた。
 得体の知れないものも積極的に口に入れてみた。時には、顔をしかめてしまうほどのきつい臭いも体験した。沢山の新しいものに触れ、沢山の台湾人とも言葉を交わした。もっと今の自分の気持ちを彼らに伝えたい。この感動を、感謝の気持ちを、伝えたい。「もっと英語が話せたら、もっと中国語が話せたら」とそう思わずにはいられなかった。今回のゼミ合宿で、いつの間にか学ぶことの楽しさを肌で感じ、学ぶ意欲も十分にチャージされてしまったようである。


2015.8.24