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大学ホーム>外国語学部>第32回Academiaが開催されました(「観光の諸相」鳥尾克二教授)

第32回Academia(杏林大学外国語学部公開研究会)が開催されました

第32回Academiaが7月29日に開催されました。
外国語学部鳥尾克二教授が「観光の諸相」について発表され、活発な議論が行われました。

<発表要旨>

観光の諸相

外国語学部教授 鳥尾克二

 人間は旅する。旅は移動と滞在をもたらし文化にインパクトを与える。人間の旅の形態は多岐に亘るが、現代社会を旅する人間は地球規模の観光現象をもたらし、その諸相が政治・経済・社会において広範な影響を与える存在となっている。産業経済面では世界最大の見えざる貿易として、政策面では観光立国策として、意義面においては国連決議に見られるTourism;Passport to Peaceとして。

 観光現象は多面的な諸相を有する。観光研究の文化的アプローチとして、近年文化人類学的手法が見られる。アパドウライは現代の人間の移動を地球規模的民族移動の風景と捉え、地球上を流動する人々の一形態として、観光現象を文化人類学的アプローチから分析している。アパドウライは人と文化の接触交流を人類史的フローのLandscape座標から捉えている。そのフローは5つに分類される①エスノスケープ(人々の移動)②メデイアスケープ(メデイアの越境と共有)③テクノスケープ(技術の移転と収斂)④ファイナスケープ(国際金融流)⑤イデオスケープである。エスノスケープは観光を伴い、観光は文化の移動と変化を伴う。観光研究に於いて地球規模の人間と文化のフロー面からのアプローチが深度を増しつつある。
 
観光は現代社会に大きな影響を与え続けている。観光は評論家が考える以上に重要な現象である。J/アーリ