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第45回Academia 外国語学部公開研究会 実施報告

第45回アカデミア   2012年1月25日(水)於D208教室

題目: 和製漢語をめぐって

発表者: 鄭 英淑准教授

発表要旨: パスポートは幕末期に始めて登場するが、一定した呼び名はなく、印章をはじめ、手形、印鑑、鑑札、免状、旅行券等、いろいろに呼ばれていた。これらのことばは、いずれも通行証を指すことばであった。‘旅券’も同じ意味のことばであったが、パスポートの呼び名として呼ばれた記録は見つからない。通行証の意味に使われた用例も1874、75年の川路利良のものしか見当たらない。それが、1878年、政府から海外旅券規則が発表され、正式に‘旅券’がパスポートの名称として決まったのである。幕末以前から通行証を指す様々なことばがパスポートの名称として使われていたが、‘旅券’が選ばれたのは、当時社会的な地位や権威を持った川路利良が使った‘旅券’に関係があるかと考えられる。正式な名称として決められてからも、いろいろな名称で呼ばれたが、1885年の政府の官約移民政策実施を前後に国語辞書の見出し語として登録される。この時期から法律用語から一般用語として広まっていく。中国でも一時期使われるが、現在は使われていない。‘護照’が使われている。韓国では、最初は中国の‘護照’が使われていたが、1900年代半ばからはこの‘旅券’を使うようになった。