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国際医療協力専攻の千葉さん、訪タイについての報告を発表しました

          

2014年9月5日から9日にかけて、北島教授、マルコム教授、岡村准教授の研究と研究報告を兼ねたタイへの渡航に同行させていただいたのでご報告いたします。

 私は、西アフリカのベナンという国で青年海外協力隊の助産師として活動しておりました。その際、保健医療体制の基礎や仕組みが十分に機能していない中で良質な医療を提供するために、どのように人材育成をしていけばよいのかが課題だと思い、それについて学ぶために大学院に進学しました。
今回のタイ渡航では、エイズに罹患している高齢者の方の他疾患(生活習慣病等)との合併のリスクや、若年者への性感染症予防のための啓発活動の様子、禁煙プロジェクトの効果と継続性、ミャンマーからタイへ来て学ぶ学生たちの様子や、現地スタッフ中心に活動している日本のNPO…等、先生方が手掛けているプロジェクトや自分で興味のある分野について、訪問・見学させていただきました。
チェンマイを訪れたのは初めてですが、10年ほど前にタイを訪れた時と比べて、タイ全体が都会化され、機械化も著しく、海外の物資もずいぶん豊かに揃っているという印象を受けました。また、いずれのプロジェクトについても、現地スタッフが中心となり、予算の問題や慣習、民族間の違いなど問題はあるけれど、どうしたらより良いケアを提供できるのかをそれぞれ工夫しながら活動している様子が感じられました。
 また、その中で、Chiang Mai Rajabhat University (CMRU)の母子保健と公衆衛生を学ぶ学生の方に、私のアフリカでの体験や日本では現在数少なくなってしまっている助産院での分娩について紹介する機会をいただきました。拙い英語でどの程度伝えることができたかわかりませんが、タイの学生さんたちにとって遠い国と感じられているアフリカと、それよりは身近に感じられている様子のある日本で、同じ医療を行いたくても行えない現状や、日本の中でも分娩者は減っているが、助産師が中心となって活躍している助産院の存在の紹介や、それぞれの課題について紹介させていただきました。授業の中でタイ語に通訳してくださったSaiyud先生からは、「基本的にタイで就職・活動する学生が多いので、外国での活動は刺激的に見えたと思う」というお話も伺いました。そのせいか、それぞれの写真への感想も、日本でお話しさせていただくときよりもストレートな反応が返ってきて、興味深く見て貰うことができたのではないかと思います。残念ながら、エボラ熱の影響やwifiが整備されているとは限らないということで、アフリカで働いてみたいという方は今回のお話させていただいた学生の中にはいらっしゃいませんでした。しかし、「国際協力」について考える一端を提供できたのかもしれません。
 ベナンに比べて、タイはとても発展した国です。そして、現在の姿に至るまでに、様々な葛藤や課題を克服して現在の形があることは想像に難くありません。どのように医療の質を上げ、医療者が個々の質を高めていったのか。今回の渡航では、それについて考えるきっかけをいただくことができました。タイ・アジアでの体験が、アフリカの人材育成のヒントになることもあるのではないかと考えています。これから、このことについて考えを深め、アフリカでの人材育成について考えていきたいと思います。

杏林大学大学院 国際協力研究科国際医療協力専攻
千葉真希子

向かって左側が筆者、右側がSaiyud先生

向かって左側が筆者、右側がSaiyud先生

CMRUの母子保健を学ぶ学生さん達と (2014.09.07)

CMRUの母子保健を学ぶ学生さん達と (2014.09.07)

WAT PA PAOにて(2014.09.08)

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