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第14回国際医療協力講演会が開催されました


 11月28日(土)に三鷹キャンパスにおいて、第14回国際医療協力講演会を開催しました。今回は、「青年海外協力隊を通して見たケニア」をテーマに、JICA青年海外協力隊経験者であり、本研究科修了生でもある柿内あかば氏と、そのご主人であり、JICAの専門嘱託として勤めている柿内 学氏にお話をいただきました。


 柿内あかば氏とご主人の学氏から、JICAプログラムによるケニアでの国際協力活動についてお話を頂いた。あかば氏は異才の人材である。大学で学んだのは英文学だったが、タイ、バンコクのスラムにおけるNGO活動で”水”の重要性を実感し、本学国際協力研究科の門を叩くに至った。スラムでの水利用の実態調査で学位を取った後、更に本格的に水処理技術を学び、実社会でその技術を磨いてケニア行きを志したのである。学氏は、同じケニアで活動したJICAの方だ。

 まず学氏から、氏が講師として赴任したケニア地方都市のコンピュータ学校の現状、苦境、都市部と農村、山間部との衛生・経済の格差、地域によって大きく異なる治安状況、などの紹介があり、続いてあかば氏からの報告となった。あかば氏は2011年夏から2年間、エンブ(Embu)の浄水場で上水道の水質管理技術の実施と指導に携わった。そこは学氏の任地より水供給の環境は整っていたが、配水システムの運用や利用環境の不衛生が大きな問題であった。氏は各家庭の利用状況と大腸菌等の水質調査結果を報告した。データは学会誌に投稿の予定だそうである。期待したい。

 出席者からの質問も多く、今後の国際協力、とくにアフリカ関連の意見交換が活発に行われ、有意義な研究会であった。

2015.12.24 国際協力研究科 教授 金子哲也