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大学院生研究報告
(中国四川省内江師範学院および四川大学科技職業技能培訓学院における現地調査)


2016年1月28日から1ヶ月半、修士論文作成のため、中国四川省の内江師範学院及び四川大学科技職業技能培訓学院を訪問した。


 四川省は、中国の西南内陸部に位置する省である。面積 48.6 万 km²、人口は 8140 万人であり、日本の人口およそ3分の2である。14 歳以下の人口は1364.71 万人で、四川総人口の 16.97%を占める。四川省は出稼ぎ労働者が一番多い地域である。両親が遠隔地に出かけ、農村部に残される子供は留守児童と呼ばれるが、これらの子供たちが学校で虐待されたり、自殺したりするような事例が報告されている。

 今回、四川省の二つの大学でそれぞれ100 人の現役学生たちにインタビューし、アンケート調査を実施した。具体的な内容としては、同省の大学の保育専攻と非保育専攻の大学生たちに、児童虐待と児童の権利に関する認知度の調査を行った。その結果、大学生の児童虐待についての認知度はそれほど高くないことが分かった。また、日本では、国民全員に児童虐待事例の通報義務があるが、 中国の大学生は、人間関係を考え、通報しないだろうとの意見があった。

 中国の伝統文化では、「不打不成材」という、子供には痛い思いをさせなくては一人前にならない言葉や、「棍棒底下出孝子」という折檻の棒が孝行息子を作るという言葉があり、子供のしつけには体罰がふさわしいという見方がある。しかし、現在、体罰は虐待行為の一つとして位置づけられるようになった。大学生たちは、自分の子どもを決して虐待しないという強い気持ちを持っている。時代とともに昔の考え方とはだいぶ変化してきている。

 インタビューの終了後、私は保育専攻の大学生に児童虐待と「子供の権利」について、授業を一コマ行った。学生たちは教科書などでこの問題について勉強したことがなく、児童虐待に関心がわいたようで、さらに勉強したいという学生も多かった。

 今回の児童虐待に関する調査と別に、農村部の小学生の通学ルートを体験してみた。生徒たちは泥でぬかるんだ道を30分間歩き、また船に乗り、長い道を辿り、地域の小学校に通っていた。私は中国の農村部の学生のための通学路などの整備は、まだまだ不十分だと実感した。インタビューの中では、大学生が児童虐待事件を知る最も多い方法は、インターネットであることが分かった。今後、児童の権利に関する認知度が高まるルートとして、マスコミが大きな役割を担っているといえよう。児童虐待を防止するためには、学生を対象として、インターネットなどを通じ、さらに児童の権利に関する知識を普及させることが重要であると私は考える。

杏林大学大学院
国際協力研究科
国際医療協力専攻
張 譜韻
2016.05.27

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