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大学院生研究報告(タイ国コンケン病院における調査活動)


 現在、修士論文作成に当たる研究活動のため、タイ王国のコンケン県に滞在しています。コンケン県はタイの東北部に位置し、バンコクから北東へ約445km、東北部で2番目の大きさを持つ県です。研究に協力して頂いているコンケン病院は、県内の中心部にあり、三次救急対応の公立病院です。県内のみならず他県からも患者が集まり、毎日多くの患者が診療を待っています。また、2014年にはがん治療センターも完成し、こちらも毎日治療を必要とする患者が集まります。

コンケン病院がんセンター

コンケン病院がんセンター


 私の研究テーマは、<乳がん治療に関する費用分析>です。がんのステージごとの医療費と生存率を推計し、乳がんの発見時期による医療費の変化や死亡の回避について検討したいと考えています。乳がんは、世界全体で女性のがん罹患率1位であり、死亡率も上位を占めています。この傾向は先進国のみならず、近年経済発展を遂げた中進国や開発途上国でも同様です。一方で、乳がんは早期発見による生存率が高い疾患であり、検診の普及により死亡率の減少が見込まれると考えられています。近年日本をはじめ先進国では、がんによる死亡率減少に向けて検診の普及活動が盛んに行われています。しかし、世界全体でみると検診が日常的に行われている国は多くはありません。その背景には、各国の医療制度の違いや経済的な問題があり、がん検診の導入には様々な障壁があります。


 タイでは、2002年に全面施行された国民医療保障制度により、制度上は全ての国民が公的医療保障の対象となりました。近年タイにおいても、乳がんは女性の重要な健康問題になりつつある一方で、日本の地方自治体が行っているような安価で受診できる検診制度はありません。このような背景の中、コンケン病院では2014年より、院内で地域住民を対象とした自己触診法のセミナーを定期的に開講しています。この活動により、乳がんの早期発見・早期治療が可能となることが期待されています。

自己触診法に関するポスター
自己触診法に関するポスター


 現在は調査準備のため、共同研究者である外科医師のThamol先生と、がん治療センターの看護師Nupienさんと共にデータ収集方法に関して話し合っています。また、がん治療センターのスタッフをはじめ多くの方が本研究に興味を持って下さり、協力してくれています。コンケンでの生活は、言葉の壁や文化の違いに戸惑うこともありますが、周囲の方々に支えられながら毎日楽しく過ごしています。

Thamol先生(左側)と

Thamol先生(左側)と

右から2番目がNupienさん

右から2番目がNupienさん

 これから本格的に調査が始まります。お世話になっているコンケンの皆さんに還元できるような成果が出せるよう、今後も努力していきます。そして、本研究が世界の多くの女性の健康な生活へと繋がることを期待し、研究活動を行っていきたいと思います。

2016年8月2日
国際協力研究科
国際医療協力専攻
博士前期課程2年
櫻井 澄枝

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