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2016年秋学期第1回特別講演会を開催しました

 10月11日(火)午後、大学院国際協力研究科2016年秋学期第1回講演会が開催されました。「中国政治学の再建」をテーマとして、東北文化学園大学総合政策学部の王元教授が中国政治学の復権、政治体制の改革、行政学の発達、今後の研究課題等について講演されました。


 ■講演概要
  1949年以後中国の政治学は旧ソ連の学問体系の影響で消滅をしたように見えたが、1980年代に入り再スタートした。教員不足、教材欠乏の状況下で、復旦大学は率先して政治学再建の先頭に立ってた。復旦大学がこのような重任を担ったかについて  王元教授は
   ①上海においては欧米留学経験を有する研究者が多数居住していること
   ②上海は地理的に南北の中 心に位置し、交通の便が発達していること
   ③復旦大学国際政治学部が欧米国家の政治外交、近代以降の西洋の学問研究の伝統を有すること
 等を指摘している。

 王元教授は、政治学科ランキングで北京大学と中国国内で一位二位を争う復旦大学、両大 学共に世界ランキング50位圏内に進出したことを高く評価した。研究内容からみれば、復旦大学は特に政治理論の研究について優れている。復旦大学の中国発展研究院をはじめとする研究機関では、中国の大国台頭、アメリカとの関係及びBRICs等の研究にも取り組んでいる。復旦大学社会科学高等研究院や比較政治研究センターでは、政治理論、比較政治学、民主主義、政治文化や政治発展論の研究に力を入れている。特に1980年代から今日まで一貫として民主主義についての研究を続けている。王元教授自身は1989年4月に『世界経済導報』から要請を受け、「政治民主と民主政治」という論文を執筆したが、『世界経済導報』が発禁されたため公刊されなかった。この論文は民主主義研究でとても重要な課題を民主主義の理念・原則(王先生がいう「政治民主」)とそれを実現するための政治制度・法規(王先生がいう「民主政治」)に分けるという二分論で分析する必要性を指摘している。


 今後の政治学研究の課題については、王元教授は如何に中国を政治学で系統的に説明するか、また政治科学(Political Science)のさらなる発展の可能性と条件とは何かを述べて講演を締めくくりました。


 


(大学院国際協力研究科 博士後期課程1年・姚強)
2016.10.14