国際協力研究科北島教授がJICA草の根技術協力事業でバンコクとチェンマイを訪問

5月3日から8日まで、JICA草の根技術協力事業「北タイの保健センターにおけるHIV感染者ケア強化事業」(以下、プロジェクト)の活動の一環でタイのバンコクとチェンマイを訪問しました。このプロジェクトは、チェンマイ県サンパトン郡の保健センターにおいて、HIV感染者に適切なケアが提供されるようにするために、保健センターに常駐する看護師に研修を提供するとともに、病院から保健センター間の患者紹介をスムーズに行える様にするための仕組みを作ること主な活動としています。
今回は、まず、タイの首都バンコクで、タイの保健省疾病対策局エイズ・性感染症・肝炎対策課のサマーン課長に、開始から半年経過したプロジェクトの進捗状況と今後の活動予定について報告をしました。保健省でも保健センターでHIV感染者へのケアを提供する方針を打ち出しているが、まだ前例が少ないため、今後この方針を具体化する上で、このプロジェクトから得られる経験や情報は有用であるとのことでした。

保健省でサマーンHIV対策課長(右から2人目)らと

保健省でサマーンHIV対策課長(右から2人目)らと

次にバンコクを拠点とする国際NGOであるAPCOMを訪問しました。APCOMは、アジア太平洋地域のそれぞれの国で活動しているNGOとの連携のもとに、ゲイやトランスジェンダーなどの性的マイノリティーを対象としたHIV感染予防や感染者の支援を行なっています。今回の訪問では、APCOMの取り組みと東南アジアにおけるHIVの状況について聞きました。また、このプロジェクトの紹介をしたところ、タイの隣国ラオスでもHIV感染者が増加しており、より多くの感染者がケアを受けられるようにするには、保健センターの機能を強化する必要があると感じているらしく、興味を示してくださいました。

そして、チェンマイでは、サンパトン郡で開かれたプロジェクトの会議に参加しました。会議では、HIV感染者のケアを担当している医師、看護師、薬剤師、保健センターの看護師、大学教員らと、5月30−31日に行われる保健センターの看護師を対象とした研修プログラムの内容について話し合いを行いました。研修は2日間の座学と2.5日間の病院実習で構成されます。座学の内容は、HIVの基礎知識、抗HIV薬の作用と副作用、主な日和見感染症とその症状、患者のプライバシーの保護、病院と保健センター間でやりとりする書類の内容と記録の仕方等々、盛り沢山です。会議では、各トピックの担当者と時間割を決め、このプロジェクトの目的と各トピックとの関連を明確にするための話合いを行いました。

サンパトン病院での会議の様子

サンパトン病院での会議の様子

保健センターでケアを受けているより多くのHIV感染者の満足度の向上に繋がるような研修となるように、プロジェクト関係者と連携をとりながら準備をしていきたいと思います。

                                                               2018.5.15
                                                         国際協力研究科 北島 勉