タイ・コンケン県の医療と教育の現場を訪問して

私は青年海外協力隊の経験から発展途上国における小児リハビリテーションに興味を持ちました。そこでこの度、タイ東北部のコンケン県にあるコンケン大学病院を中心に、特別支援学校、教育センター、診療所や地域のケアユニットセンターを訪問させて頂きました。現地で働いている理学療法士に案内して頂きながら、脳性まひ児を中心としたリハビリテーションや教育の現場を案内してもらう機会を得ることができました。

 コンケン大学はタイ東北部最大の総合国立大学であり、敷地面積はタイ国内でも2番目の広さを持っています。大学のキャンパスはとても広く、各学部の建物や寮、コンビニや小さな市場もあり、まるで一つの街のように存在していました。タイの建物は涼しくするために屋根、天井が高く、全体的に風通しがよく工夫されていました。病院の雰囲気も日本とは違い、広々としており、また人が多く賑やかな印象でした。

 大学病院では入院・外来の患者を受け入れており、脳血管障害や脊髄損傷、骨折や慢性疼痛疾患、また脳性まひに対するリハビリテーションが行われていました。日本のリハビリテーション室と変わらず、プラットフォームや起立台、各種物理療法が設置されて、個別リハビリテーションが提供されていました。

 特別支援学校ではタイ全土から児童が来校しており、子供たちは親元を離れて寮で生活していました。多くは就学児で小学生~高校生までが在籍していました。学校で授業を受けたり、リハビリテーションを受け、寮では自分の身の回りのことが自立してできるように実践していました。

特別支援学校にて現地の理学療法士と

特別支援学校にて現地の理学療法士と

公立教育センターでは未就学児~小学生までが多く、脳性まひや自閉症、ダウン症児がいました。センターでは両親や家族と一緒に通学し、家族も一緒に教育やリハビリを受けていました。このセンターでは9つの地域に存在するユニットセンターも管轄しており、各地域で生活している障がい児のケアも行っていました。

地域のユニットセンターでは小規模ながらも教員や近隣の病院に勤務する理学療法士の協力を得て運営されていました。地域に住む子供達の方が重症度が高く、家族の介助によって生活を送っていました。より多くの子供達が教育を受けられるように、特別支援学校にいける子を探したり、理学療法士たちは日々療育の実現に向けて努力している姿が見受けられました。

教育センターの理学療法士、教員らと地域ケアユニットセンターを訪問

教育センターの理学療法士、教員らと地域ケアユニットセンターを訪問

病院と学校、センターの設備や環境の充実度からはタイが医療や教育、特に障害児に対する支援が手厚い事が感じられました。また医療システムや教育システムも整備されつつあり、療育の発展に向けて尽力されていました。

研究計画のプレゼンテーション及びディスカッション

研究計画のプレゼンテーション及びディスカッション

私にとって今回が初めてのタイ訪問であり、日本の病院や教育現場とはまた違う環境にとても興味が湧きました。一方で現場で働く理学療法士や教員の話を伺うと、様々な問題を抱えていることも知る事ができました。今回の訪問を通じて、タイの子供たちやそのご家族、理学療法士や教員の方々の力になれるように調査・研究をすすめていきたいと決意しました。

国際医療協力専攻 花岡弥亜(理学療法士)2018.8.28.