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平成19年度 退職教授最終講義およびパーティーが開催されました

 平成20年1月12日、八王子キャンパスK棟517教室において、本年3月末日で定年退職される解剖学教室の西山文朗教授、臨床遺伝学教室の清水淑子教授、臨床微生物学教室の金森政人教授の最終講義が行われました。開始時刻の午前9時25分が近付く頃には、すでに保健学部と医学部の教職員、卒業生、在校生など多くの方々が着席し、教室内には最終講義に相応しい緊張感が漂っていました。

 講義は西山教授、清水教授、金森教授の順に、それぞれ丘島教務部長からの略歴紹介の後に行われました。
西山教授は、病理組織細胞検査の電子顕微鏡試料作製法に関連した内容を中心に、透過型電子顕微鏡の原理、標本の作製法などを、電顕像や特別演習(電子顕微鏡実習)風景の写真を示しながら易しく(優しく)講義されました。講義後の「電顕標本で一番面白いものは?」という質問に対して、「一番面白いのは腎臓、面白くないものは神経」と答えられたことがとても印象的でした。

 清水教授の講義は、研究生活(米国、日本でそれぞれ21年)を振り返ることから始まり、主要な研究テーマ「多発性嚢胞腎とダウン症の分子遺伝学」の総括を講義されました。研究生活のお話では Dr.James Watson とのツーショットを披露されるなど、海外でのご活躍を目の当たりにすることができました。まとめでは「生まれようとする命を選別しないで」に触れられ、我々が大切にすべきものは技術の進歩ではなく「命そのものをいとおしむ文化」であることを示されました。

 金森教授は、微生物学の最初に講義する「感染症の現況」を中心に、手作り資料を用いて講義され、科学が進歩している現在も「ヒトと病原微生物の戦い」は続いていることを解説され、近年の感染症の様相が「地球温暖化」によって変化していること、「グローバル化」が感染症の拡散に結びついていることを指摘されました。最後は「感染症の多くは発展途上国で発生している。病原体は子供、高齢者、貧しい国の人々を標的にする。これから世界に羽ばたこうとしている若者には、特にこのことを心にとめておいて欲しい。」とのメッセージで締めくくられました。

 講義終了後、場所を「ガーデン丘」に移してパーティーが開催されました。最終講義の緊張から解放された先生方は、満面の笑顔で参加者と楽しいひと時を過ごされましたが、予定の時間は瞬く間に過ぎ、大滝純一学部長の閉会の挨拶と3人の先生方への盛大な拍手により閉会の時を迎えました。その後の写真撮影会が大盛会であったことは、言うまでもありません。

(保健学部准教授 森田耕司)