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学生のグローバル資質の大きな伸びを確認


IR1)データに見るグローバル人材育成の成果


 杏林大学は平成24年にスーパーグローバル大学等事業「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援(以下「GGJ」とする。)」タイプBに採択され、外国語学部を中心にグローバル人材の育成に取り組んできた。また本学は平成26年度から大学IRコンソーシアム2) に加盟して、学生の学習実態等に関する調査を実施しており、これらの調査で得られたIR データを集計・分析することで、本学の「グローバル人材育成事業」の成果の検証を試みた。

 「語学力・コミュニケーション能力」及び「異文化理解とグローバル的視野」の大きな伸びを確認!
 IRデータを集計・分析した結果、グローバル人材として求められる「語学力・コミュニケーション能力」、「異文化理解とグローバル的視野」、「学士基礎力」、「チームワークとリーダーシップ」の各要素において、本学外国語学部生の資質の伸びが認められた。
 特に本学が学生の育成に取り組んでいる「語学力・コミュニケーション能力」及び「異文化理解とグローバル的視野」の項目で、杏林大学外国語学部生(以下「杏林学生」とする。)の値が全参加大学・学生(以下「全国平均」とする。)の値を大きく上回っている。また「学士基礎力」、「チームワークとリーダーシップ」においても、杏林学生が全国平均を上回った。
 これらの結果から、本学のGGJ事業は、「グローバル人材育成」という目標に対し、着実にその成果を上げていることが確認できた。


1.外国語力・コミュニケーション能力

 本学のグローバル人材育成事業では、中国語(CIC)や英語(PEP)などの独自教育の開発及び教育の実施、中国語サロン・英語サロンの運営、中国語及び英語のe-learningの提供などにより、学生の「卓抜した語学力」を養成してきた。更に生きた外国語を身に付けるため、半年から1年間の海外留学を奨励してきた。 その結果、①外国語の運用能力において極めて大きな伸びを示した。また②コミュニケーション能力、③プレゼンテーション能力においても、全国平均に比べ大きな伸びが確認できた。

① 外国語の運用能力 
 杏林学生の78%前後が大学入学後に「外国語の運用能力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答している。 これは全国平均の38.6%を2倍以上上回っており、外国語力育成の着実な成果が確認された。

図1-①  外国語の運用能力の伸び

② コミュニケーション能力 
 杏林学生の79%以上が大学入学後に「コミュニケーション能力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均の約69%を10%上回っている。これは、授業での対話式の学習や語学サロンでの会話練習などにより、コミュニケーション能力が身に付いていったと考えられる。

 図1-② コミュニケーション能力の伸び

③ プレゼンテーション能力
 学生が課題に対して調査・研究、整理・分析を行い、その結果を人前で発表する「プレゼンテーション」を多くの教育場面で実施している。その結果、杏林学生の80%以上が大学入学後に「プレゼンテーション能力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均の約65%を大きく上回っている。

 図1-③  プレゼンテーション能力の伸び


2.異文化理解とグローバル的視野

 杏林大学のグローバル人材育成事業では、「外国語力・コミュニケーション能力」に加え、「スマートでタフな交渉能力」を育成することとしている。「スマートでタフな交渉能力」を身に付けるためには、「スマートな知性」として、自国及び諸外国との相互の歴史、文化、慣習に対する素養と深い洞察、複雑な国際政治や経済情勢、政治等に関する知識を育成することとしている。
 本学の事業では海外留学・研修(インターンシップを含む。)の促進に加え、学内においても交流プラザや語学サロン、様々なイベント等で、外国人教員や留学生と日本人学生の交流が活発に行われており、それらの活動をとおして「異文化の人々に関する知識」、「異文化の人々と協力する力」、「グローバルな問題の理解」が身についていると考えられる。

① 異文化の人々に関する知識
 杏林学生の約85%が大学入学後に「異文化の人々に関する知識」が「増えた」または「大きく増えた」と回答している。これは全国平均の約56%と比較してかなり高い値を示している。
  
図2-① 異文化の人々に関する知識の伸び

② 異文化の人々と協力する力
 杏林学生の約64%が大学入学後「異文化の人々と協力する力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均の約36%と比較して極めて高い値を示している。前の項目同様、海外での生活や活動、学内での交流活動をとおして、異文化の人々(外国人)と日常的に協働することで、「異文化の人々と協力する力」が身についていることが確認できる。

 図2-②  異文化の人々と協力する力の伸び

③ グローバルな問題の理解
 外国語学部の専門科目として「日本文化論」、「日米比較文化概論」、「ヨーロッパの社会と文化」、「現代ヨーロッパビジネス事情」、「マーケティング総論」、「アメリカ経済論」、「アメリカ政治外交論」、「ヨーロッパ経済論」、「ヨーロッパ政治外交論」、「比較文化論」、「国際関係論」、「日中比較文化論」、「中国経済概論」、「アジア経済論」、「中国政治外交論」等を開講しているほか、隣接する総合政策学部が開講する「国際協力論」、「国際政治学」、「国際政治史」等の科目の選択履修を推奨し、グローバル的視野の涵養を図っている。
 これらの科目履修や海外留学・研修(インターンシップを含む。)等の経験をとおして、杏林学生の約67%が大学入学後に「グローバルな問題の理解」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均の約43%を大きく上回っている。

 図2-③  グローバルな問題の理解の伸び


3.学士基礎力

 平成24年12月の中央教育審議会大学分科会による答申で、学士課程教育の質保証とともに、「グローバル化する知識基盤社会にあって、国民の強い進学需要に応えつつ、国際通用性を備えた、質の高い教育が必要となっている。(略)」と述べられている。
 杏林大学では教育の国際通用性を追求しつつ、4年間の学士課程教育において ①一般的な教養、②文章表現力、③分析力や問題解決能力、④ 批判的に考える力など、将来のグローバル社会で求められる学士基礎力の育成を進めている。その結果、それぞれの項目において、杏林学生は全国平均を上回ることができた。

① 一般的な教養
 杏林学生の85%以上が、大学入学後に「一般的な教養」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、これは全国平均の値(80.7%)を上回っている。

図3-① 一般的な教養の伸び

② 文章表現の力  
 杏林大学では、外国語力やコミュニケーション能力に加え、レポートやAcademic Writing等の文章作成・表現力の養成にも取り組んでいる。その結果、杏林学生の70~71%が大学入学後に「文章表現力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、これは全国平均(61~62%)を上回っている。また杏林学生の2年間推移においても上昇傾向が認められる。

 図3-② 文章表現力の伸び

③ 分析力や問題解決能力
 杏林学生の82.3%が大学入学後に「分析力や問題解決能力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均(77.7~77.8%)を上回っている。

 図3-③ 分析力や問題解決能力の伸び

④ 批判的に考える力(critical thinking)
 杏林学生の70%以上が大学入学後に「批判的に考える力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均(約65%)を上回っている。また杏林学生の2015年は74.3%で、2014年の71.5%を上回っている。

 図3-④ 批判的に考える力の伸び


4.チームワークとリーダーシップ

 杏林大学のグローバル人材育成事業では、これからのグローバル社会で活躍するために「スマートでタフな交渉能力」を育成することとしている。 これは、交渉相手の立場や意見・考えを理解・尊重する能力、相手の立場、意見・考えを尊重した上で自分の意見を分かりやすく説明できる能力に加え、メンバーと協働してプロジェクトを企画・遂行し成功に導く能力とし、正課教育の一環としてグループ討議やグループワーク、ボランティア等を実施してその養成に取り組んでいる。 また学生は自主的な勉強会やグループ学習活動に参加し、学生同士が協働する能力を培っている。

① 人間関係を構築する力           
 杏林学生の約73.5%が大学入学後「人間関係を構築する力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均の約68.5%を上回っている。

図4-① 人間関係を構築する力の伸び

② 他の人と協力して物事を遂行する能力
 本学外国語学部では、PBL型のグループプロジェクトや3~4年のゼミナールで、学生の企画によるグループ研究や発表が行われている。これらの活動をとおして、杏林学生の約80%が大学入学後「他の人と協力して物事を遂行する能力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、この値は全国平均の約70.3%を上回っている。

 図4-② 他の人と協力して物事を遂行する能力の伸び

③ リーダーシップ能力
 前述のPBL型のグループプロジェクトやゼミナール等で、学生の企画によるグループ研究や発表等の活動をとおして、杏林学生の54%以上が大学入学後「リーダーシップ能力」が「増えた」または「大きく増えた」と回答しており、全国平均の約47%を上回っている。

 図4-③ リーダーシップ能力の伸び

以上


平成28(2016)年10月25日
杏林大学GGJ事業事務責任者
塚本 悌三郎(調査役)




注釈及び参考資料
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1)IR
 大学におけるIR(Institutional Research)は、①教育研究・経営・財務情報など大学の諸活動に関する情報収集・蓄積、②特に学生の学習成果など教育機能についての調査分析、③大学経営の基礎となる情報を分析する活動をいう。

2)大学IRコンソーシアム
 平成21年度文部科学省戦略的大学連携支援事業に採択された「相互評価に基づく学士課程教育質保証システムの創出-国公私立4大学IRネットワーク」において、学生の視点を重視し、学生に確実に成果を身につけさせるといった「学生本位の改革」を目指し、同志社大学が代表校となり、大学と連携を図りながら、IRの推進を通じて連携大学間の「相互評価」を活かした教育の質保証の枠組み整備に取り組んでいる。(大学IRコンソーシアムホームページより。)
 杏林大学は2014年から大学IRコンソーシアムに加盟し、学生の学習実態に関する調査を行っている。その中から、本学の「グローバル人材育成」の取組項目に照らして該当する設問項目をピックアップし、本事業の対象である本学外国語学部生と、参加全大学・学生の値について2カ年のデータを比較調査した。
 なお今回のデータは、下表の参加大学・学生により行われたアンケートをもとに、大学入学後の学習成果を調査するため、上級(2~4年)生のデータに着目をし、集計・分析した。

 表1.大学IRコンソーシアムにおける調査サンプル数

参考) 設問と集計項目に関する「積極回答」の考え方、データ集計方法等
 設問:  1=大きく減った、   2=減った、   3=変化なし、   4=増えた、    5=大きく増えた、
      8=指定外の回答、   9=無回答
 集計: 上記のうち、「増えた」、「大きく増えた」と回答した比率を合算した。


参考資料)IRコンソーシアム集計データ ・・・ 別紙1、2

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