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地域志向教育研究・蒲生グループ・第1回検討会報告

                                                   杏林CCRC研究所
                                                      蒲生 忍

 COC事業の地域志向教育研究「三鷹市での医療情報ネットワーク構築に向けた問題点と検討課題の整理(研究責任者:蒲生)」の第一回検討会を5月30日午後1時よりCCRC研究所で、研究分担者全員(三鷹市大朝摂子氏、齋藤大輔氏、杏林大学熊谷文枝氏、CCRC研究所松井)が参加し開催した。

 検討会の実質的な討議に先立ち、研究責任者の蒲生から分担者の紹介を行った。それに続き、地域志向教育研究がCOC事業で連携する地域の課題を解決する役割を果たすべきこと、その目的を達成するため地域志向教育研究の規程を策定し学内で広く公募選考したこと、研究所もCOC事業の中核として地域志向教育研究の一翼を担うことを説明した。

 その後、当該研究「三鷹市での医療情報ネットワーク構築に向けた問題点と検討課題の整理(研究責任者:蒲生)」の申請の主旨について蒲生より以下のように説明を行った。

 近年の医療情報の電子化とICTの普及は、医療情報ネットワークの構築による医療の効率化や適正化等の可能性を強く示唆している。少子化と超高齢化が進行する日本の社会が持続的に発展していくために、その有用性の検証が強く求められる所である。杏林大学においても、平成25年度に電子カルテが導入され、医療情報は全面的に電子化され、院内における情報共有と医療の適正化において多大な効果を発揮しつつある。

 一方、中核医療施設と地域診療所の役割分担に向けた動きが加速しており、その際の中核施設と地域診療所との医療情報共有に関し様々な試みが行われている。医療情報のネットワーク化は主に過疎地域等での遠隔医療や地域の包括的ケアをテーマとして、先駆的な成功例が存在し、高く評価され普及が勧められている。しかし、人口が集中する都市圏の医療環境は大きく異なり、これらの成功例を単純に拡大適用できるものではないことも指摘されており、都市型のモデルは先例が乏しい。また、共有が必要とされる情報の種類と範囲は、慢性期医療と急性期医療、また救急医療により必ずしも同一ではなく、コミュニケーションの形態も一様ではない。本学の病院が立地する三鷹市は超高齢化や孤立化等の都市圏における問題点を顕在化させる可能性が高い地域であり、本学の救急医療に重心を置いた特性と合わせて、新しい都市型の医療ネットワーク構築に向けた提案を行う素地がある。

 本研究においては、大学と地域の医療機関との情報共有を可能とするICTを活用したネットワークの必要性と有用性を、先進事例を基に検証し都市型モデルの可否を明らかにすることを目指している。さらに必要性と有用性が認められた場合、それを構築するための連携や協議機関、具体的な問題提起と設定目標等を明らかにし、検討課題の整理を行う予定である。

 最後に、次回の開催を6月末とする日程調整を行い、午後2時20分散会した。