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運動とリハビリテーション 宇宙飛行士の健康管理から学ぶ 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

運動とリハビリテーション 宇宙飛行士の健康管理から学ぶ

日時:平成26年7月5日(土)午後2時〜午後3時30分

場所:三鷹ネットワーク大学 教室ABC

講演者:山田深(杏林大学医学部リハビリテーション医学教室 講師)


 平成26年7月5日(土)三鷹ネットワーク大学にて杏林大学市民公開講演会「運動とリハビリテーション:宇宙飛行士の健康管理から学ぶ」が開催された。研究所からは蒲生、相見、松井、多田が出席した。講演に先立ち、杏林大学広報担当者から杏林大学医学部リハビリテーション医学教室山田深講師のご紹介の後、山田深講師から「運動とリハビリテーション:宇宙飛行士の健康管理から学ぶ」と題した講演が行われた。

 講演ではまず1961年の人類初の宇宙飛行から現在に至るまでの歴史と国際宇宙ステーション(ISS)と宇宙での生活に関して紹介された。ISSはおよそ100m×70mの大きさで地表から400km上空を時速28000kmで軌道している。ISSには長期滞在クルーが6人おり滞在期間はおおよそ180日とのことである。ISSでの食事は水分が飛び散らないようにとろみが強くされている。トイレは吸い取り式で尿は蒸留し飲料水として再利用、便は船外で燃やすとのことである。宇宙飛行士には週6日の1日2時間の運動も業務の一環であるとのことである。地上とは異なる無重力環境下では宇宙飛行士の身体への様々な影響がある。無重力状態への変化に前庭や視覚・体性感覚が対応出来ず気持ちが悪くなる飛行士がいるが、一週間もすれば治るとのことである。また下半身の体液が上半身へ移動(体液シフト)するために顔がむくむ。体液シフトが生じることで排尿により体液を減らすように働き、むくみはひくが血液量と心筋重量が減少するとのことである。ほぼ毎日運動しても半年間滞在すると20〜30%の筋繊維が減少する。他にも骨粗しょう症の10倍の早さでカルシウムが1か月に1.2〜1.5%減少する。さらに体力も10%減少や視力低下・鼻づまりも生じるとのことである。宇宙で生活すると身体は急激に衰えて、地上で寝たきりになってしまったときの変化と似ているとのことである。そのため飛行士は地上に帰還すると急激に加齢したようになり帰還後45日間は1日2時間程度のリハビリを行い筋力・持久力などを戻す。ただ骨に関しては回復までに3年かかるとのことである。宇宙での生活が寝たきりや加齢のような変化から宇宙飛行士らは骨粗しょう症の薬を飲みカルシウム変動の研究、運動効果と筋肉への電気刺激を併用したハイブリッドトレーニングなど医学に関連した研究も行っているとのことである。

 宇宙飛行士や国際宇宙ステーションという言葉はポピュラーであるが、宇宙環境での飛行士の身体への影響から骨粗しょう症やリハビリ、運動などの健康増進に向けた医学研究が実施されていることを知る有意義な講演会であった。

杏林CCRC研究所
相見祐輝

山田深先生

山田深先生

会場風景

会場風景

質問に回答される山田先生

質問に回答される山田先生

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