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地域で認知症をみる 講演会報告

杏林大学「地(知)の拠点整備」事業
杏林大学・三鷹ネットワーク大学 共催

市民公開講演会

地域で認知症をみる

日時:平成26年7月12日(土)午後2時〜午後3時30分

場所:三鷹ネットワーク大学 教室ABC

講演者:長谷川浩(杏林大学医学部高齢医学教室 准教授


 平成26年7月12日(土)三鷹ネットワーク大学にて杏林大学市民公開講演「地域で認知症をみる」が開催された。研究所からは蒲生、相見、松井、多田が出席した。講演に先立ち、司会進行の「みたか・認知症家族支援の会」石村巽先生からから杏林大学医学部高齢医学 長谷川浩准教授のご紹介の後、長谷川浩准教授から「地域で認知症をみる」と題した講演が行われた。

 2012年の認知症高齢者は約462万人、その前段階の軽度認知機能低下は約400万人とのことである。認知症は慢性あるいは進行性で記憶・思考・見当識・理解・計算・学習能力・言語・判断など多数の高次皮質機能障害を示す症候群である。「もの忘れ」だけでは認知症とは言えず、脳や身体の病気により記憶・判断力などが障害されて通常の社会生活がおくれなくなった状態である。認知症は治療により進行を遅らせることや将来の予測が可能で準備ができること、また甲状腺機能低下症、ビタミンB1,B12欠乏症や正常圧水頭症に伴うものは治療可能であるため早期発見が重要である。正常と認知症の間のグレーゾーンに軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment : MCI)がある。MCIは日常生活動作や全般的認知機能は正常だが年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が本人または家族から認められると。認知症の検査は大きく分けて認知機能を見るための心理検査(問診、アンケート)とMRIやCTなどの画像検査を行う。脳障害の部位によって認知症の種類が異なる。ポピュラーなアルツハイマー型認知症は海馬や側頭葉が障害されることで生じるとのことで、多くは65歳以上で発症し記憶障害を初発として進行性の経過を見る。発症機序は厳密には結論がでていないがコリン作動性仮説、アミロイド仮説、タウ仮説と3つの学説がある。日本では治療薬に3つのコリンエステラーゼ阻害薬とNMDA受容体チャネル阻害薬のメマリーが使用されている。
 他にも前頭側頭葉型認知症や特発性のパーキンソン症状(振戦、固縮、歩行障害など)や幻視などが特徴的なレビー小体型認知症などについてもご説明頂いた。
 三鷹市と武蔵野市合わせて推計認知症患者数1万人ほどとのことである。認知症の進行を遅らせる治療はあるが完全に治癒させる治療法はなく不適切な介護は周辺症状を悪化させ介護者自身の負担を増大させてしまう。適切な介護を行うためには適切な介護者教育と無理のない介護体制を作ることが必要である。そのため本学医学部付属病院などの専門病院、かかりつけ医やもの忘れ相談医、三鷹市・武蔵野市の地域包括支援センターや居宅介護支援事業所などの在宅認知症相談機関が認知症連携している。また本講演会の司会進行を務められた「みたか・認知症家族支援の会」石村巽先生は長谷川准教授の協力を得て「みたか・みんなの広場」にて高齢者介護・認知症のなんでも相談室を主催し市民同士で助け合いをご支援頂いている。

 本講演会は杏林CCRCの「都市型高齢社会の健康と安心」を主題とした「健康寿命延伸」に大変参考になり有意義であるばかりでなく、本学と地域、さらに市民との共同のモデルを示すものであった。

杏林CCRC研究所
相見祐輝

長谷川浩先生

長谷川浩先生

石村巽先生(司会進行)

石村巽先生(司会進行)

会場風景

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